別府開催の将棋名人戦、豊島九段が初白星 藤井八冠の初防衛は持ち越し【大分県】

初白星を飾った豊島将之九段=19日夜、別府市の割烹旅館もみや
終局後、感想戦を行う豊島将之九段(右)と藤井聡太八冠

 将棋の藤井聡太八冠(21)の初防衛が懸かる第82期名人戦7番勝負の第4局は19日、別府市上田の湯町の「割烹(かっぽう)旅館もみや」で2日目が指され、挑戦者で先手の豊島将之九段(34)が95手で勝ち、シリーズの通算成績を1勝3敗とした。

 豊島九段は後がない状況が続くが、5期ぶりの名人復位を目指す。藤井八冠の初防衛は第5局以降に持ち越された。第5局は26、27の両日、北海道紋別市である。

 名人戦7番勝負は2日制で、持ち時間は各9時間。先に4勝した方が名人を獲得する。

■夜戦に入った終盤まで局面均衡

 1日目に後手藤井八冠の「横歩取り」で始まった別府対局は2日目、夜戦に入った終盤まで局面の均衡が保たれ、どちらが勝ちをつかむか分からない熱戦となった。

 競り合いを抜け出したのは豊島九段。「駒得」を生かしてリードを広げ、藤井八冠の懸命の粘りを冷静な指し回しで振り切った。

 終局後、豊島九段は「夜戦に入ったときは見通しが立っていなかったが、自玉が左辺に逃げていける展開になったのでいけるかなと思った。またすぐ次があるのでコンディションを整えて自分なりに精いっぱいやりたい」と話した。

 敗れた藤井八冠は「難しいと思っていたが、進んでみるとこちらの玉形がかなり乱れていて全く自信がない気がした。またすぐに(第5局が)あるので、気持ちを切り替えて頑張りたい」とコメントした。

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 両対局者が2日目に注文したメニューは次の通り。

 【藤井八冠】▽午前のおやつ 地獄蒸しプリン(岡本屋売店)地獄蒸し自家焙煎(ばいせん)スペシャルティ(百膳の夢本家)▽昼食 別府冷麺(六盛)かぼす緑茶(まるにや)▽午後のおやつ かるかん(かるかん堂中村家)黄金かぼすの地熱ビネガー(鉄輪本舗)

 【豊島九段】▽午前のおやつ 本わらび餅べろべろ山崩し(茶郎本舗)かぼす緑茶▽昼食 冠はものうまみ丼と根芋の赤だし(たつのや)かぼす緑茶▽午後のおやつ 温泉蒸しプリン(みょうばん湯の里)かぼすハチミツジュース(かぼす本家)

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