定額減税に便乗した詐欺電話、広島県内で初確認 広島県警が注意呼びかけ

広島県

 1人4万円の定額減税に便乗した還付金詐欺の電話が今月中旬、広島県尾道市内の民家にかかっていたことが分かった。広島県警によると、定額減税をうたう特殊詐欺の電話が確認されたのは県内で初めて。県警は「新制度に便乗した新たな手口」として注意を呼びかけている。

 県警生活安全総務課によると、尾道市の60代女性方に13日、税務署職員を名乗る男から「定額減税のパンフレットを送りましたが届いていますか。還付金があるので申請の手続きをします」などと電話があった。女性は「49」「99」で始まる二つの6桁の数字を覚えておくよう指示された。男が口座のある銀行名も聞いてきたのを不審に思い、税務署に相談。尾道署に通報し、詐欺と判明した。

 同課は女性を銀行のATMに誘導し、伝えた数字を押させて現金を振り込ませようとしたとみている。

 定額減税は6月から所得税と住民税で1人につき計4万円で実施される。国税庁は、全国で他にも同様の詐欺の電話がかかっていると説明。「定額減税に関して国税局や税務署の職員が口座番号や暗証番号といった個人情報を、電話やメールで聞くことはない」とホームページなどで注意喚起している。

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