休館日の美術館で障害者らが絵画鑑賞 気づいたことを語り合い作品制作に生かす 岡山・倉敷市

岡山県倉敷市の大原美術館で、障害や難病などがある人たちが絵画を鑑賞しました。

大原美術館を訪れたのは、岡山市にある就労継続支援A型事業所「ありがとうファーム」で働く22人とB型事業所「つづき」で働く4人です。全員、絵画や立体作品などを制作して収入を得ています。

(記者リポート)
「きょうは作品の解説を聞くのではなく、作品を見て気づいたことや感じたことをお互いに語り合います」

参加者の中には、知らない人がいる環境が苦手だったり、鑑賞する作品を選ぶのが難しかったりする人もいるため、美術館が休館日の20日、訪れました。

2つの事業所を運営する企業と大原美術館が2023年8月に結んだ連携協定の一環で、参加者の作品作りに生かしてもらうのが狙いです。

(絵画を鑑賞する参加者)
「動物が住んでいるところを鉄砲とかで壊された感じがして、ちょっと悲しい感じ」
「あれは兵隊で、それが刃物を持って前へ進んでいるような感じ」

同じ絵を一緒に見ても、感じたことはさまざまです。

(絵画を鑑賞する参加者)
「明かりがついている家が自分の家なのかなって」
「ああ~」

自分になかった視点を見つけたり、自分が感じたことを言葉にすることで新たな発見につなげたりします。

(参加者は―)
「自分の意見を普段言えることがないんですね、こういう美術館って。そういうところがすごく楽しいなって思います」
「みなさんがそれぞれ 変わった視点で絵を見ているので 僕も楽しかった」

(ありがとうファーム/深谷千草 アートディレクター)
「こうじゃなきゃいけないとか、こうしないといけないというより、もっと幅広いので制作にも役に立ちます」

参加者は、体験したことを2024年10月に発表する作品の制作に生かすということです。

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