河本力「めっちゃ楽しみ」 日本一の飛ばし屋がメジャー初挑戦へ

全米オープン出場を決めた河本力。右はUSGAのジョン・M・ボーデンハマー氏(撮影/加藤裕一)

◇男子メジャー◇全米オープン日本地区最終予選会(20日)◇日野ゴルフ倶楽部キングコース(滋賀)◇6910yd(パー70)◇出場34人

河本力は36ホール目をバーディでフィニッシュし、石川遼と並ぶトップ通過で全米オープン出場権を射止めた。430ydの9番、ドライバーショットでフェアウェイを捉え、135ydの2打目を50度のウェッジで右ピンの右5mにつけた。

「最後をバーディにして、通算9アンダーで終わったら“ワンチャン”あると思った」。だからリスクを冒し、ショートサイドを攻めて、イメージ通りにチャンスを決めた。24歳で挑む初メジャー。「めっちゃうれしい。めっちゃ楽しみです」と声を弾ませた。

昨季まで2年連続でドライビングディスタンス1位に立ち、今季も平均319.12ydでトップを走る。すば抜けた飛距離にショートゲームの柔軟性を兼ね備え、ツアー関係者の誰もが認める“怪物”だが、今季は国内ツアー5戦で最高位が「中日クラウンズ」の12位、予選落ちが3度もある。「とにかくグリーン上のパフォーマンスが悪くて」。昨季から袋小路に入ったパッティング。平均パット数は部門別81位に低迷し、現在に至っている。この日もパー5でピン10mに2オンし「一番いい場所から」3パットのパーに終わる場面もあった。

メジャーは最大のターゲット。「昔から、そこで戦って勝ちたいと思っていた場所」という。「自分のロールモデル」と表現するのが、元世界ランキング1位のジョン・ラーム(スペイン)。「ドライバーから、ショートゲームまで全てがすごい」と追いかける。

世界で自分の飛距離が、ショートゲームがどこまで通用するのか?「出るからには優勝を目指したい」。国内の不振で募るもどかしさを、世界最高峰の舞台で晴らしたい。(滋賀県日野町/加藤裕一)

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