車突入、損賠請求へ 東海村、被告に1200万円 茨城

被告の男の乗用車が突っ込み大破した東海村役場の玄関周辺=2023年12月

茨城県の日立市役所前広場と東海村役場に車が突っ込み4人が重軽傷を負った事件で、村は20日、殺人未遂や建造物損壊などの罪で起訴された日立市、無職、被告の男(54)に対し、約1204万円の損害賠償を求めて提訴する方針を明らかにした。事件で村役場正面玄関の自動ドアや総合案内の机などの備品が損壊した。

起訴状などによると、男は昨年12月6日午後1時ごろ、日立市役所前広場で開かれていたイベント参加者の男女2人を殺傷しようと、自らが運転する乗用車を衝突させるなどして重軽傷を負わせ、衝突を避けようとした男性を転倒させて軽傷を負わせた。その約30分後には、村役場1階正面玄関に車を突入させて自動ドアなどを損壊。村の損害額は、自動ドアなどが約712万円。突っ込んできた車に押しつぶされた役場内の机、椅子などの事務用品が計12点で230万円とされる。

村総務人事課によると、請求額には慰謝料や職員の人件費、弁護士費用も含まれるという。

村は21日開会の村議会臨時会に関連議案を提出予定。同課は「可決され次第、速やかに水戸地裁へ提訴する手続きを進める」としている。

村はこのほか、学校やコミュニティーセンターなどに車の侵入を防ぐ鉄製ポールや防犯カメラを設置する方針で、安全対策費2939万円を盛り込んだ本年度一般会計補正予算案も提出する。

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