【from Impress】【いちからわかる!株入門4】隠れた割安株を探す「PER」を学ぶ

株式の銘柄探しにおける3つの指標について連載で紹介します。株式を購入するにあたり、「その株が買いどきかどうか」は気になるポイントの1つです。気になる企業の株式であっても、相場よりも割高な価格ではできるだけ買いたくないものです。ここでは、株価が隠れた割安株を探す「PER」指数について解説します。

この記事は4月16日発売のインプレス刊『いちからわかる!株入門 2024年新NISA対応版』(和島英樹 監修)の一部を編集・転載しています。掲載されている銘柄情報などは2024年3月時点のデータです(編集部)

買いたい株の株価はおトク?

株価が割安か割高かを判断する指標の1つが「PER(株価収益率)」です。PERは株価を1株あたりの当期純利益で割って算出します。例えば、株価が2,000円で1株あたりの利益が100円の場合、PERは20倍です。当期純利益は会社の最終的な儲けで、株主の資産でもあります。1株あたりの利益が毎年変わらない場合、理論上は投資額を20年で回収できるということになります。

つまり、PERは低ければ低いほど、投資した金額を回収する期間が短くなる=割安であるといえます。なお、純利益がマイナスの赤字企業の場合はPERが算出できないため、決算資料では「-」と表記されます。

PERは数値だけで判断しないこと

株価の割安性を判断するために参考になるPERですが、「何倍が妥当」という水準を示すものではないという点には注意が必要です。全業種の平均PERは15倍となっていますが、業種や企業の規模によって平均PERは異なります。

例えば、食料品や小売業の場合は平均PERは25倍程度、銀行業や鉄鋼業の平均PERは10倍以下です。一方で、一般的には利益成長の高い企業は、将来への期待が高く、投資家からも人気を集めるためPERが高くなる傾向にあります。PERが高い・低いという理由だけで投資判断を行なうのはNG。必ず業績も確認しましょう。

なお、業績指標欄に記載されている予想PERは、決算短信などの業績予想や証券アナリストの予想をもとに算出されます。株式投資では将来的に利益を得られるかが重要なポイントです。したがって、予想PERから投資するかどうかを判断するのが一般的です。

株式投資の魅力から成長株探しまで全6回で連載

第4回:隠れた割安株を探す「PER」を学ぶ
第5回:株価は企業価値の何倍? 「PBR」を学ぶ
第6回:企業の経営効率を判断する「ROE」

いちからわかる!株入門 2024年新NISA対応版

・価格:1,100円
・発売日:2024年4月16日
・ページ数:112ページ
・サイズ:A4変型判
・監修:和島英樹
内容
1章 株の基礎知識
2章 口座座開設と売買方法
3章 銘柄の絞り方
4章 売買のタイミング
5章 銘柄ランキング 株主優待編/高配当編

・監修プロフィール
和島 英樹 (わじま ひでき)
経済ジャーナリスト
現みずほ証券、株式新聞社(現ウエルスアドバイザー)記者を経て、2000年にラジオNIKKEIに入社。東証・記者クラブキャップ、解説委員などを歴任。2020年6月に独立。企業トップへの取材は1,000社以上。近著に「1万円からはじめる勝ち組銘柄投資」(かんき出版)。レギュラー出演番組にラジオNIKKEI「マーケット・プレス」、東京MXテレビ「東京マーケットワイド」、日経CNBC「朝エクスプレス」など。週刊エコノミストなど雑誌への寄稿も多数。日本テクニカルアナリスト協会評議委員。

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