マイクロソフト、ARM版の新型Surfaceと『Copilot+ PC』発表。全部覚えるRecallなどWindows 11のローカルAI強化

マイクロソフト、ARM版の新型Surfaceと『Copilot+ PC』発表。全部覚えるRecallなどWindows 11のローカルAI強化

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マイクロソフトがWindows 11『Copilot+ PC』イベントを開催し、Snapdragon X Elite / Plusプロセッサを搭載した新型 Surface Pro (第11世代)および Surface Laptop (第7世代)を発表しました。

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新型 Surface Pro はシリーズ初の有機ELディスプレイを選択でき、性能は(二世代前の) Surface Pro 9比で90%高速。統合NPUのAI処理性能(TOPS)は、AppleのM4 iPad Proより約20%高速をうたいます。

新たな純正アクセサリとして、合体しても外しても使える新型キーボード Surface Pro Flex Keyboard を用意します。

■ Windows PCの新たなカテゴリ『Copilot+ PC』

新型 Surface シリーズを披露した一方で、イベントの主題はマイクロソフトが提唱する新たなWindows PCのカテゴリ『Copilot+ PC』と、Windows 11に統合したAI機能。

『Copilot+ PC』は40TOPS (秒間40兆命令)以上の処理性能と、ローカル動画再生で最大22時間以上のバッテリー駆動など高い効率を備えたPCで、Windows 11の新機能 Recall や Live Caption 、Cocreatorなど高性能なローカルAI機能を実行できるとされています。

これまでマイクロソフトは、AI処理用のNPUを備え、キーボードにCopilotキーを持つWindows 11 PCに対して他社製も含めて『AI PC』と称して来ましたが、新たな『Copilot+ PC』では40TOPS以上という一定のAI処理性能と、それが可能にするローカルAI処理による機能を前面に出しています。

■全部記録して後から取り出す『Recall』機能

Windows 11の新機能『Recall』は、ディスプレイに表示したあらゆるものを記録し、あとからCopilotに断片的なヒントから探してもらったり、スライダーで時間を遡って取り出せる機能。

(▲画像:Recall機能。スライダーで時間を遡ったり、探している文章やファイル、画像内容をテキストで検索すると、過去のアプリやウィンドウ内容から発見できる)

ブラウザに表示したテキストや文書、各種SNSやプロダクティビティアプリで扱った各種のファイル、SlackやDiscordの会話、リモート会議の発言内容(ライブキャプションのテキスト)等々までローカルAIが記録し、あとから「あれなんだっけ」「どこに保存したっけ」「見たけど思い出せない」を解決するとのふれこみです。

ログと分析はすべてローカルPC上で完結し、クラウド転送等は不要。何を記録するか、アプリやウェブサイト単位でオンオフを制御することも、「今から記録停止」をタスクバーから選ぶこともできます。

(▲画像:Recall機能。スライダーを動かして時間を遡ると、その時間の作業状況のウィンドウが表示される)

マイクロソフトはWindows 10の時代に、タスクバーのボタンから過去のアプリやウィンドウ、タブを時間を遡って開ける機能タイムラインを導入したことがあります。

タイムラインは概念としては画期的でも、Windows Explorer や Edge ブラウザなどマイクロソフト製の対応アプリしか残らないことであまり実用性がありませんでしたが、Recall はWindows 11のシステムレベルの機能として原則的に全アプリやすべての表示内容が対象です。

ローカルAIにあらゆるものを記憶させ、後から会話で取り出すコンセプトとしては、スタートアップの Rewind (現 Limitless)が提供したMacアプリ『Rewind』もありました。

基本的に全部記録はほぼ同じ発想ですが、Rewindはあくまでアプリとしての提供であるためmacOS側のパーミッション等の制約が多く、またローカルAIに限界があるため、方針をやや変えて音声メイン、セキュアなクラウドで分析する Limitless とペンダント型の実世界全部録音デバイスで仕切り直しています。

そのほかCopilot+ PCで利用可能になるAI機能としては、

ライブキャプション

40か国語以上の音声をリアルタイムで字幕化、翻訳(当初は英語のみ)。アプリを問わずWindows上のオーディオならば字幕化できる。

(▲画像:Live Caption機能のイメージ。40か国語以上を英語にリアルタイム翻訳、字幕表示)

Cocreator

Paintアプリや写真アプリに、ローカル動作の画像生成モデルを統合。ペイントで簡単な下書きをすると、リアルタイムでCocreatorが高精細なイラストをAI生成。スライダーで「クリエイティビティ」を調整することで、下書きのきれいな清書から、下書きをヒントにした新しい発想の画像までが得られる。

(▲画像:PaintアプリでCocreatorを利用したスクリーンショット。ラフな手描きをリアルタイムで書き込まれたリアル調イラストに変換)

写真アプリでは、写真をもとにスタイルを指定して加工など。スタイルはプリセットを選択することも、文章で何々風や細かく指定も可能。

■ 各社 Copilot+ PCは6月18日から発売

Surface Pro (第11世代)の主な仕様は、13インチ2880 x 1920 PixelSense Flow タッチディスプレイ、Snapdragon X Elite またはPlus (45TOPSのHexagon NPU、Adreno GPU)、16GBまたは32GB LPDDR5x RAM、取り外し可能なSSD 256GB / 512GB / 1TBなど。

重量は約895g。

マイクロソフトの新型 Surface Pro および Surface Laptop と同時に、Acer、ASUS、Dell、HP、レノボ、サムスン等、各社が『Copilot+ PC』に準拠したWindows 11 PCを発表しています。

新型 Surface Pro / Surface Laptop を含め、各社 Copilot+ PC は6月18日より販売予定です。

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