プレスリーファンの〝聖地〟「グレイスランド」競売に 孫娘が仮差し止め要求

エルヴィス・プレスリー(ロイター)

エルヴィス・プレスリーの邸宅で、ファンの〝聖地〟として観光名所になっている米テネシー州メンフィスにある「グレイスランド」が23日、差し押さえによる競売にかけられることが決定。ところが、エルヴィスの孫娘が、差し押さえが不正によるものだとして、裁判所に仮の差し止め請求を行った。

英紙デイリー・メールによると、女優ライリー・キーオ(34)は昨年1月に急死した母親でエルヴィスの一人娘リサ・マリー・プレスリーからグレイスランドを相続した。ところが、リサは2018年、グレイスランドを担保に米ミズリー州の金融会社ナーサニー・インベストメンツ&プライベート・レンディングから380万ドル(約6億円)を借り入れ、返済していなかったことから今回の競売が決まったという。

これに対し、ライリー側は母親がナーサニー社から借金をした事実はなく、署名したとされる信託証書は偽造されたものだとして15日、テネシー州シェルビー郡の裁判所に競売の仮差し止めを求める請求を行った。

ライリー側は、信託証書の署名がリサのものではなく、そもそもナーサニー社は実態の無いペーパーカンパニーだと主張している。

グレイスランドは1957年、エルヴィスが10万2500ドル(約1600万円)で購入。同年は「監獄ロック」や「恋にしびれて」「テディ・ベア」などの大ヒットを飛ばしたエルヴィスの絶頂期だった。

1977年にエルヴィスが亡くなった後はリサが相続し、82年にグレイスランドを博物館として一般公開。91年に米国家歴史登録財として登録され、さらに2006年にはホワイトハウスなどと同様、米国定歴史建造物に認定された。

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