中国で若者の旅行トレンドに変化、「個性化」が主流に

中国で若者の旅行トレンドに変化、「個性化」が主流に

吉林省延辺朝鮮族自治州延吉市にある「中国朝鮮族民俗園」を見学する観光客。(資料写真、延吉=新華社記者/顔麟蘊)

 【新華社長春5月21日】中国の若者の旅行ニーズに現在、大きな変化が起きている。データによって、若者が旅行関係情報を検索する際に、観光旅行に限定されず、知的探究も考慮し、体験活動への参加を望み、感情的な結び付きや自分の価値観との合致を求めていることが明らかになった。

 吉林省延辺朝鮮族自治州延吉市にある「中国朝鮮族民俗園」では週末になると、朝鮮族の伝統衣装で美しく着飾り、記念写真を撮るために全国各地から女性客が訪れる。同市は中国最大の朝鮮族集住地。ここ数年、旅行先での民族衣装体験と写真撮影がブームになる中、この辺境の都市は徐々に頭角を現し、ネットで超人気の旅行目的地となっている。今年の労働節(メーデー)連休期間(5月1〜5日)中、わずか9.4ヘクタールの中国朝鮮族民俗園では、最大で1日当たり3万人以上の観光客を受け入れた。

 観光業界の全国紙「中国旅游報」を発行する中国旅游報社の文化・観光産業指数実験室と、電子商取引(EC)大手アリババグループの検索エンジン「夸克(Quark)」が共同で発表した「夸克データ解説:2024年若者旅行の新動向」によると、観光地に行くことを重視していた従来の旅行とは異なり、今では若者を引きつける主な原動力が趣味や興味となっている。コンサート、音楽フェスティバル、コミックコンベンションなどは、いずれも若者が「行きたくなったらすぐ行く」動機になっていることがデータで示されている。連休だけでなく、週末の小旅行やオフピーク旅行も若者の間でますます人気が高まっている。1週間のうち金曜日から日曜日の夜は、若者による近距離旅行関連の検索が最も集中する期間となっている。

 専門家は、現代中国の若者の新たな旅行トレンドは、若者の消費心理と理念の変化を反映しており、若年層は消費の量よりも質を重視しているとの見方を示している。中国社会科学院大学新聞(報道)伝播学院の黄楚新(こう・そしん)副院長は、「消費はもはや単なる購買行動ではなく、自己表現し、気持ちを伝え、個人の価値観を実現する方法の一つとなっている。彼らは旅行消費の過程において、感情の交流と共鳴をより重視している」と述べた。(記者/金津秀、孟含琪)

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