【夏場所】宝富士が一山本を寄り切り勝ち越し一番乗り「三賞が欲しいですね」

一山本(右)を寄り切った宝富士

大相撲夏場所10日目(21日、東京・両国国技館)、幕内宝富士(37=伊勢ヶ浜)が一山本(30=放駒)を寄り切って、一番乗りで勝ち越しを決めた。9日目は美ノ海に敗れたが、連敗は阻止。この日の取組後は「しっかり当たって、落ち着いていこうと思っていた。昨日は攻め急いだけど、今日は落ち着いていた。連敗すると、ずるずるいく可能性があるので勝てて良かった」と納得の表情を浮かべた。

先の春場所で12年ぶりに十両へ転落し、歴代6位の幕内連続出場が990回で止まった。しかし、勝ち越して1場所で幕内復帰を果たし、初日から5連勝を果たすなど絶好調だ。9日目には、妻と5歳の長男・慶丞(けいのすけ)君が観戦に訪れていた。

宝富士は「偶然9日目のチケットを取っていて、勝ち越しがかかっていたので昨日の方が緊張した。幕内での土俵(入り)は最後の可能性もあったし、息子に見せたかったので。花相撲なら来たことがあるけど、本場所は初めてで『宝富士!』と言ったけど、恥ずかしくてあまり声が出なかったみたい(笑い)。(昨夜に)『パパ負けちゃった』と言ったら『いいよ、かっこ良かったよ』と言ってくれた」と笑みを浮かべた。

経験十分のベテランだが、今まで三賞を受賞したのは2016年名古屋場所の敢闘賞のみ。11日目は2敗で並ぶ湘南乃海(高田川)との直接対決。宝富士は「三賞が欲しいですね。1つしか持ってない、どうにかならないかな(笑い)。落ち着いて、集中して取りたい」と言葉に力を込めた。

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