【ソフトバンク】快進撃の裏で二軍暮らし続く柳町達らに気遣いの声「少し気の毒」

ソフトバンク・柳町達

首位を快走するソフトバンクは21日の楽天戦(みずほペイペイ)に21―0の大勝を収めた。2回に7得点、4回には10得点。5回までに2度の打者一巡の猛攻で23安打を集め、2016年以来となる20得点以上を挙げた。投手陣も隙を見せることなく、零封リレーで5連勝を飾り、貯金も今季最多を更新する「18」とした。

今宮は2リーグ制では初となる1イニング2本の三塁打をマークするなど3安打の活躍で、開幕からノーアーチだった栗原が2発を含む4安打、6打点の大暴れ。中軸の柳田、山川、近藤を挟む2番・今宮と6番・栗原の大当たりは大収穫だった。主力がお役御免となった後も、途中出場組の4選手が快音を響かせるなど、戦力の充実ぶりがうかがえた。

開幕ダッシュに成功した勢いは加速するばかり。勝つための「型」が決まっているだけに、チーム内からは「一軍に上げたくても上げられない選手がいる。強いチームとはこういうものだが、少し気の毒ではある」との声も日に日に増している。特に二軍で開幕から打率4割近い好成績を残してきた柳町達外野手(27)の状態を気にかける声は多い。小久保監督も今月10日にファーム施設に赴き、直接「辛抱」を説いた。だが、辛抱にも限界があり、状態がいい時に起用したいのが首脳陣の総意だ。これだけチーム状態が良好なだけに、故障離脱などの有事がなければ現時点で入れ替えは無用。「DH制のない交流戦ビジター6連戦あたりで代打の枠が増える可能性は考えられる。何とか辛抱してほしい」と、柳町の苦悩を知る身内からは切実な声が上がっている。

二軍再調整で状態を少しずつ上げているウォーカーを含め、腐ることなく出番を待つ男たちがいる。圧勝劇の裏で多方面から上がった気遣いの声。その余裕が「21―0」のスコアとともに強さを物語っている。

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