タイ、ベトナム、フィリピン、マレーシアのドリアンが中国市場を争う―マレーシアメディア

マレーシアの華字メディア、南洋商報は17日、「タイ、ベトナム、フィリピン、マレーシアのドリアンが中国市場を争う」とする記事を掲載した。

記事はまず、タイ、ベトナム、フィリピンのドリアンが中国市場を「天下三分」する中、マレーシアも今年、生ドリアンの中国への輸出許可を目指しているとし、中国国営新華社通信によると、今年第1四半期(1~3月)に広西チワン族自治区憑祥市の友誼関経由で中国に輸入された生ドリアン4万8000トンのうち3万5000トンがベトナム産で、その他がタイ産だと伝えた。

そして、「注目に値すること」として、ベトナム産が前年同期比48%増加したのに対し、タイ産が同60%近く減少したことを挙げ、「タイのドリアン収穫が干ばつの影響を受けていることもあるが、ベトナムは中国と近いこと、価格が安いことが、中国市場で優位なポイントとなっている」とした。

記事によると、中国が昨年輸入した生ドリアン142万トンのうち65%がタイ産、34%がベトナム産、他のごく一部がフィリピン産であることは、中国市場に参入して久しいタイ産が依然として中国人に最も愛されているものの、ベトナム産の挑戦と戦わなければならないことを示している。中国が2022年8月にベトナム、23年初めにフィリピンに対しそれぞれ生ドリアンの輸入を許可して以来、中国のドリアン市場では「天下三分」が始まり、タイ産が歴史的な評判に依存している一方、ベトナム産は低価格で攻勢をかけている。

もう一つのドリアン生産国であるマレーシアは今のところ、中国に輸出できるのは加工コストが高い上に味に影響が及ぶ可能性が高い冷凍ものだけだ。マレーシアは07年に中国へのドリアン輸出について中国側と交渉し、11年になってようやく冷凍ピューレと果肉という形での輸出が許可され、19年からは殻付き冷凍ドリアンの輸出が許可された。

マレーシアの業界関係者からは、今年はマレーシアと中国の国交樹立50周年にあたることから、年内に生ドリアンを中国に輸出できるようになる可能性が高いとの見方も出ているという。(翻訳・編集/柳川)

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