宮城・多賀城市で高校生3人犠牲の飲酒運転事故から19年 飲酒運転根絶への誓い

宮城県多賀城市で飲酒運転の車が仙台育英高校生徒の列に突っ込み3人が死亡し15人が重軽傷を負った事故から5月22日で19年です。事故現場では、発生時刻に合わせ飲酒検問が行われました。

事故は、2005年5月22日午前4時過ぎに発生しました。
記者「男が運転する車は仙台方向から猛スピードで走ってきました。そして、交差点で乗用車と衝突し横断歩道を渡っていた高校生の列に突っ込みました」

多賀城市八幡の国道45号で、飲酒運転のRV車がウォークラリー中だった仙台育英高校の生徒をはねました。この事故で高校1年生3人が死亡し15人が骨折などの重軽傷を負いました。

運転していた当時26歳の男は事故前、6時間にわたりビールや焼酎などを約3.5リットル飲んでいました。仙台地裁は「何をもってしても取り返しがつかない」と男を断罪し、危険運転致死傷罪の最高刑である懲役20年の判決を言い渡しました。

この事故を契機に、宮城県などは5月22日を飲酒運転根絶の日に定めています。飲酒運転根絶の日に合わせて22日朝、現場付近では警察が飲酒検問を行いました。検問ではアルコールでの検挙者はいなかったいうことです。

塩釜警察署齊藤康晴副署長「飲酒運転は犯罪です。一滴でもお酒を飲んだら絶対にハンドルを握らないでいただきたい」

仙台育英高校の多賀城校舎では、事故で亡くなった3人の生徒を悼む追悼式が行われ生徒らが亡くなった3人の冥福を祈り、静かに手を合わせました。

追悼式には、生徒や教諭約1000人が参列しました。
仙台育英高校生徒会長大久保ゆりさん「事故で亡くなられた3人のご冥福をお祈りするとともに、このような悲しい事故を起こさないという約束を3人とする。そういう気持ちで献花したい」

仙台育英高校では、毎年5月22日に追悼式を行うとともに、事故の教訓を風化させないようホームルームで飲酒運転の危険性などについて学んでいるということです。

宮城県加美町では、県などが主催する飲酒運転の根絶を誓う大会が開催されました。
大会では出席した地元の住民や警察関係者など約700人が、事故の犠牲者に黙とうを捧げた後、仙台育英高校の書道部員がパフォーマンスを披露し巨大な紙に飲酒運転の根絶に向けた文章を書き上げました。

そして、仙台育英高校生徒会長の大久保ゆりさんが、飲酒運転根絶を願うメッセージを読み上げました。
仙台育英高校生徒会長大久保ゆりさん「私たちはあのような悲しい事故を二度と起こさないよう、今後も宮城県民の皆様と共に飲酒運転根絶を訴え続けることを、ここに固く誓います」

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