スズキ、「ワゴンR CBG車」の実車展示 インドで取り組む牛糞由来のバイオガス実証事業を紹介

by 編集部:椿山和雄

2024年5月22日~24日 開催

スズキブース

スズキは、「人とくるまのテクノロジー展 2024 YOKOHAMA」(パシフィコ横浜:5月22日〜24日)にインド市場向け「ワゴンR CBG車」の実車を展示、インドで展開する牛糞由来のバイオガス実証事業についてその取り組みを紹介している。

スズキは、インドのカーボンニュートラル実現に貢献するため、インド政府機関のNational Dairy Development Board(全国酪農開発機構)、アジア最大規模の乳業メーカーであるBanas Dairyとの3者で、インドで多く飼育されている牛の糞尿を利用したバイオガス(CBG)実証事業に取り組んでいる。

牛糞は醗酵すると温室効果の高いメタンを含むバイオガスが発生するため、このメタンの大気放出を抑制するために、牛糞を回収しそれを発酵させることで発生するバイオガスを精製して自動車用燃料に使用する。牛が食べる牧草は光合成により大気中のCO2を取り込むため、牛糞をエネルギーの原料として利用すればカーボンニュートラルに貢献するという取り組みとなる。

バイオガス実証事業の全体像の示すイラスト

10頭の1日の牛糞で1台の1日の燃料に相当するといい、今後は充填スタンドを併設したバイオガス生産プラントを順次設置し、インド国内でマルチ・スズキが7割以上のシェアを有するCNG仕様車の燃料として販売する計画。さらにバイオガス発生後の残渣(残りかす)は、有機肥料としてインド国内の農業に役立てようとしている。

トランクにガスタンク、床下に燃料タンクを搭載するバイフューエル仕様のワゴンR CBG車
インドでのバイオマス事業
スズキの技術開発への取り組みについて紹介するパネル

スズキブースでは、そのほかにも、二輪技術展示として「水素エンジンバーグマン」を展示して水素エンジンの研究開発、四脚のモビリティ「MOQBA(モクバ)」を展示して次世代モビリティの研究開発といった、スズキの2030年度に向けた成長戦略やマルチパスウェイでのカーボンニュートラルへの取り組み、より多くの人に移動するうれしさを提供する小型モビリティへの取り組みについて紹介している。

水素エンジンの研究開発として「水素エンジンバーグマン」を紹介
次世代モビリティの研究開発として次世代四脚モビリティ「MOQBA(モクバ)」を展示
スズキブース

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