【パワーウインドー事故】閉まる力は強く…実験では大人も止められず 安全に使用するには 福岡

21日、東京都で2歳の女の子が車の窓に首を挟まれ死亡する痛ましい事故が起こりました。重大な事故につながる恐れがある車の窓。子どもと車に乗る時にどのようなことに気をつければいいのでしょうか。

ゴボウも大根もばっさり切れるほど力が強い、車のパワーウインドー。その力が事故を引き起こしたとみられるケースもあります。

21日、東京都で2歳の女の子が車の窓に首を挟まれ病院に搬送されましたが、その後、死亡が確認されました。

捜査関係者によりますと、事故当時、母親は運転席にいて、女の子は後ろの席でチャイルドシートに座っていましたが、ベルトはしていなかったといいます。

車の窓は、ボタンで上下する一般的なパワーウインドーだったとみられています。

母親は警察に対し「窓は換気のために全て開けていて、しばらくしてから女の子が座っている席以外の窓を閉めた」と話しています。

しかし、実際には全ての窓が閉まっていたということです。

母親は車を出発させてからおよそ20分後に、窓に首を挟まれている女の子に気づきました。

JAFが車のパワーウインドーが閉まる力の強さを検証した実験では、野菜が切れるだけではなく、8歳児は両手でも窓を止められず、また、30代の女性でも片手では止めることができませんでした。

重大な事故につながる恐れがある車のパワーウインドー。子どもを持つ親に話を聞きました。

■6か月の子どもの父親

「どうしても運転に気に取られるので、気をつけても気をつけられない部分はある。同乗者をつけたり、徹底した運転をしたりしないと、不注意につながるのでは。」

■11か月の子どもの父親

「うちの子も1歳に満たないくらいだが、ベルトでがっちり固定されるのがあまり好きじゃない。それを考えると、(固定されるのを)嫌がるのがわかる。なかなか難しい。」

子どもと車に乗る時にどのようなことに気をつけたらいいのでしょうか。

■JAFセーフティアドバイザー・田上哲朗さん

「チャイルドシートに乗せているから大丈夫だと思われがちですが、しっかりと正しく体を固定させるまでの確認が大事。」

子どもが外さないように、固定するハーネスやベルトに緩みがないかチェックするのも大切なポイントです。

■田上さん

「子どもが嫌がるからとか、ちょっとそこまでだからという理由でチャイルドシートにしっかり固定・着座しないのは、子どもの命に関わるのでやめてほしい。」

さらに、窓を閉める際には、目視やミラーで後ろを確認したり、一声掛けたりすることも大切です。

■元木寛人フィールドキャスター

「クッションを窓に挟むとどうなるか実験します。」

一方で、窓を閉めている最中に何かを挟むと、自動で窓が止まる安全装置「挟み込み防止機能」が付いている車もあります。

しかし、その機能を過信しすぎると。

■田上さん

「メーカーや車種によっては運転席にしか付いていない場合もある。部分的に感知しない、作動しないケースも考えられる。過信が大事故を招いてしまう可能性は大きい。」

車で注意が必要なのは窓だけではありません。スライドドアに指や体が挟まれてしまうケースもあります。

ドアの開け閉めの時は大人が見守ったり、チャイルドロック機能を活用したりすることが大切です。

便利な反面、事故の危険もある、車のパワーウインドーやスライドドア。子どもたちが巻き込まれないように、操作する時には細心の注意が必要です。

車のパワーウインドーを操作する時の注意点を確認します。

JAFによりますと、窓を閉める際は直視やミラーで安全を確認し、「窓を閉めるよ」などと一声かけることが大切です。

また、チャイルドシートに座らせる場合はきちんとベルトで固定し、パワーウインドーのロック機能を活用すると効果的です。

挟み込み防止機能は全ての車に装備されているわけではなく、また、その機能が働かない場合もあるので注意が必要です。

こども家庭庁は、車の窓に挟まれる事故は0歳から3歳くらに起こりやすいとして注意を呼びかけています。

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