熊本地震、「井寺古墳」など32件40基に大きな被害

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 熊本地震では県内の古墳も大きな被害が出た。県文化課が7日までに把握した国・県など指定史跡の被害は32件・40基に上る。うち16基が、全国でも特に県内に集中している装飾古墳で、被害の大きなものもある。復旧までには相当な期間が掛かる見通しで、今後調査が進むにつれて被害がさらに判明する恐れもある。

 同課によると、県内には古墳・古墳群・横穴墓群の国指定史跡が18件、県指定が38件ある。被害が確認されたのは国指定が釜尾古墳(熊本市)など7件・14基、県指定が御霊塚古墳(山鹿市)など9件・10基、市町村指定が今城大塚古墳(御船町)など16件・16基。北は山鹿市から南は人吉市まで13市町と広範囲に及ぶ。県立装飾古墳館の木崎康弘館長は「住宅損壊が少ない地域でも古墳に被害が出た。古墳という構造物は石材や盛り土の重量、力の均衡で空間が保持されており、どこかにひずみができれば壊れる」と指摘。

 今城大塚古墳は墳丘の一部が崩落、石室も一部埋没するなど被害が大きい。釜尾古墳は墳丘の盛り土が崩落し、石室の入り口をふさいでいる。塚原古墳群(熊本市)の石之室[いしのむろ]古墳は石棺が倒壊し、装飾部が損傷した可能性がある。「墳丘自体が崩壊したケースは、盛り土を外して内部の石材を組み直し、再び土をかぶせなければならない。石材は残っており、復元は可能」と木崎館長。

 復旧は、発掘調査のほか、専門家による委員会を立ち上げて文化庁などと協議しながら方針を決めることになるという。木崎館長は「時間も費用も相当かかり、自治体が優先順位を付けてやっていくしかない。さらにいい状態で保存して見てもらえる整備になれば」と話している。

 県文化課は「文化財担当職員が罹[り]災証明発行業務に当たるなど、市町村指定の古墳の調査が遅れている所もある。被災した古墳はブルーシートで覆うなど応急対策を施しているが、大雨で崩壊が進む恐れもある」と懸念している。(山口純)

トピック平成28年熊本地震

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