戦争、水害そして地震 苦難乗り越えた文楽人形

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戦争や水害、地震を乗り越えて生き続ける文楽人形「お染」(左)と「お園」=熊本市西区

 熊本市西区の石川武子[たけこ]さん(81)方に、戦争や水害、地震を乗り越えて生き続ける文楽人形がある。「今西コレクション」で知られる古美術収集家の今西菊松さん(1913~87年)から預かった貴重な2体。今回の熊本地震で家屋は全壊したが、人形は“一命”を取り留めた。家の建て替えに合わせ、家族は人形の保管先を探している。

 武子さんの義父で、約50年前に亡くなった貞二さんは文化的な趣味があり、今西さんと親交があった。40(昭和15)年ごろ、今西さんが出征前に、貞二さんに2体を預けたという。

 体長約1メートルの人形は演目「艶容女舞衣[はですがたおんなまいぎぬ]」の「お園」と、「野崎村」の「お染」。青白くしとやかな顔つきは、まるで生きているかのよう。総絞りの着物や帯、半襟、帯揚げなど装いも目を引く。2体を収める、ガラスの引き戸が付いた棚は当時のまま。太平洋戦争や井芹川が氾濫した水害でも無事だった。

 貞二さんの長女の花田綾女[あやめ]さん(70)は「子どものころ、人形のかんざしを触って怒られていた」と懐かしそう。最近は「壊したらいけない」と触れずに見守ってきた。

 武子さんと花田さんは「私たちの代で、人形が落ち着く先を探したい。このまま廃棄するには忍びなく、この価値が分かる人に譲りたい」と話している。(飛松佐和子)

トピック平成28年熊本地震

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