主要9候補最後の訴え

 参院選で12人が立候補した神奈川選挙区(改選定数4)で9日、18日間にわたった選挙戦が最終日を迎えた。主な9候補は降りしきる雨のなか主要駅を中心に最後の街頭演説を行い、政策をアピールして投票を呼び掛けた。

  ▽党派の略称 自=自民党、民=民進党、公=公明党、共=共産党、お=おおさか維新、社=社民党、日=日本のこころ、無=無所属▽現職・元職・新人の別■「改憲阻止」1票を 浅賀 由香氏(36)=共新 共産党新人の浅賀由香氏はJR港南台駅など横浜市内を回り「8時間働けば誰もが普通に暮らせる社会の実現に向け全力を尽くす」と演説。安保法制廃止や脱原発などを訴えた。横浜駅周辺では志位和夫委員長とともにマイクを握った。

 「反応はよくなってきている」と選挙戦を振り返り「憲法改悪阻止の1票を投じてほしい」と期待した。■政権の流れ変える 真山 勇一氏(72)=民元 民進党元職の真山勇一氏は横浜市内を中心に回った。岡田克也代表が駆けつけた桜木町駅前では「安倍首相のやり方は国民に対して誠実さが足りず、上から目線。流れを変えよう」とし、安倍政権下の憲法改正阻止や脱原発を訴えた。

 主に街頭で支持を訴えてきた選挙戦を「最終局面で有権者への片思いが通じてきた」と振り返った。■生活者目線を第一 三浦 信祐氏(41)=公新 公明党新人の三浦信祐氏は、井上義久幹事長とともに横浜駅で終日演説に立った。科学技術を使った成長戦略として介護支援やがん対策などを例に挙げ「私にその仕事を託してほしい」と訴えた。

 「改憲など国を二分する議論より生活者目線の政策を訴えてきた。聞いてもらえる人が増えたと思う」と手応えを感じ取っていた。■女性の負担分担を 三原じゅん子氏(51)=自現 自民党現職の三原じゅん子氏は川崎、横浜の主要駅で演説。がんや介護施設運営の経験を政治に反映させるとの思いを伝え、「育児や介護など女性の負担を社会全体で分かち合う政策をつくらせて」と訴えた。

 初めてとなる選挙区への挑戦を「新人のつもりで戦った。足を止めてくださる方が毎日増え、パワーになった」と振り返った。■信じられる政治を 丹羽 大氏(39)=お新 おおさか維新の会新人の丹羽大氏は、横浜駅や川崎駅など多くの有権者が行き交う駅頭でマイクを握り、「きょうは過去の政治の最終日でもある。信じられる政治を、私たち自身の手でつくっていこう」と呼び掛けた。

 党が関西で行ってきた行財政改革をアピール。家族らも応援に駆け付け、支持を訴えた。■普通の人が豊かに 金子 洋一氏(54)=民現 民進党現職の金子洋一氏は横浜、川崎市の駅頭に立ち「最後の1議席をめぐり競り合っている。普通の人から豊かになる政策を実現するため、力を与えてほしい」と熱弁、聴衆に分け入り支持を訴えた。

 全面支援を受けた連合の組織内候補とも連動。全県を駆けた選挙戦を「多くの人に支えられ、やれることはやった」と振り返った。■「憲法改悪」許すな 森 英夫氏(44)=社新 社民党新人の森英夫氏は横浜市内を選挙カーで縦断しながらマイクを握った。演説に立った上大岡駅前では又市征治幹事長、生活の党県連代表の樋高剛氏も応援に入った。

 森氏は「選挙で問われているのは憲法改悪を許すか、平和憲法を守るのか。絶対に戦争はさせてはならない。今こそ護憲の社民党」と支持を訴えた。■自主憲法の制定を 清水 太一氏(34)=日新 日本のこころを大切にする党の清水太一氏は自宅がある大和市からスタートし、横浜、川崎市内を回った。「憲法が争点になり得る初の選挙」とし、「われわれは公約の最初で自主憲法制定を目指すことに触れている」とアピールした。

 選挙を「厳しい戦いだった」と振り返りつつ「若い世代に関心を持ってもらえた」と手応えを話した。■皆さんの声国会に 中西 健治氏(52)=無現 無所属の中西健治氏は横浜駅や川崎駅などで演説や有権者との握手を重ねた。推薦を受ける自民党からも麻生太郎財務相ら麻生派の議員が応援に入った。

 中西氏は「これまでたくさんの政策提言をしてきた。再選できれば、これからは自民党の一員として実現していきたい。皆さんの声を国会に届けたい」と支持を訴えた。

© 株式会社神奈川新聞社