夏の避難所、熱中症注意

間仕切りで空気“滞留”も

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水分補給を呼びかける看護師と、水を受け取る避難者(左)=11日、熊本市中央区の市総合体育館

 熊本市の熊本地震の拠点避難所で、女性2人が熱中症の症状を訴え、病院に救急搬送されていたことが分かった。暑さ本番を迎え、各避難所は室内の温度調整に気を配っているが、間仕切りのあるフロアでの空調など、避難所独特の対策も求められている。

 女性2人が避難していたのは、北区の龍田体育館。熊本市と市消防局によると、5月23日、横になっていた70代の女性が「気分が悪くなった」と訴え、救急搬送された。7月7日には、自宅の片づけをして、夕方避難所に戻ってきた別の女性が「暑くて気分が悪い」と訴えた。ともに軽い症状で済んだという。

 熊本市によると、龍田体育館を含め市内約30カ所の避難所はすべてエアコンを備えている。熱中症対策として水を多めに準備し、避難者にこまめな水分補給を呼び掛け。急病人に備えて看護師を24時間常駐させ、熱中症予防のための聞き取りもしているという。

 約100人が避難中の市総合体育館。1階ラウンジは空調が効き、日中は避難者らの憩いの場になっている。空気を拡散させるため、廊下に送風機も設置した。

 しかし、間仕切りのある一部居住スペースや廊下の奥などに空気がこもり、立っているだけで汗がにじむ。避難中の男性(64)は「寝苦しい夜もある。このままなら眠れない日が続くかもしれない」と不安げだ。

 熊本市西区の指定避難所の森都心プラザは、前震で空調設備が故障。6月23日、高齢者ら約30人が暑さを訴えたため、市は急きょ同所を閉鎖した。

 宇城市は5月下旬、指定避難所6カ所のうち、空調設備のなかった市営体育館と武道館にエアコンを付けた。このうち体育館の「希望の里サン・アビリティーズ」には、約50人が避難中。出入口にペットボトルの水やお茶も用意している。同市松橋町の女性(75)は「エアコンのおかげで涼しく過ごせる。暑さに弱いので、水分もしっかり取るように心掛けている」と話す。

 東日本大震災で避難所の衛生管理に当たった東京都文京区文京保健所の中臣昌広さん(58)は「東北と違い熊本の夏は高温多湿で、熱中症にかかりやすい。水分や塩分を欠かさず、間仕切りで悪くなった空気の循環を送風機などを使い改善しなければならない。熱がこもりやすい車中やテントで生活を続ける被災者へのケアも必要になってくる」と指摘している。(馬場正広、田中祥三)