本震3カ月 「風化させない」懸命捜索

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阿蘇大橋下流の白川沿いで行方不明の大和晃さんの手掛かりを捜す父卓也さん(手前左)ら=16日、大津町
みなし仮設住宅の申請をする東海大農学部の学生(左)=16日、熊本市東区

 熊本地震の本震から3カ月を迎えた16日、15人が犠牲となった南阿蘇村は鎮魂の祈りに包まれた。村からの移住を強いられた東海大生は生活再建に向けた一歩を進め、1人だけ行方が分からない学生の両親らは懸命の捜索を続けた。

 南阿蘇村立野の新所区では、土砂崩れで亡くなった片島信夫さん=当時(69)=と妻利榮子さん=同(61)=の自宅跡に住民8人が避難先から集まり、手を合わせた。

 区長の山内博史さん(62)は「信夫さんは誠実、利榮子さんは社交的だった」と振り返る。4月16日には、新所区の裏山にあった九州電力黒川第1発電所の貯水槽が壊れ、大量の水が流出。土砂崩れとの因果関係をめぐる話し合いは進まず、山内さんは「2人のために、九電に責任を認めさせる」と誓った。

 同村河陽の黒川区では、近くの東海大農学部の学生3人を含む男女4人が犠牲に。2年生の大野睦さん=当時(20)=が亡くなったアパート付近では、サークルの仲間らが献花した。

 同行した区長の竹原満博さん(55)は仲間らを見つめ、「少しずつ地域の再建を進め、学生が戻れる環境を整えたい」。宮崎県延岡市から娘の荷物を取りに訪れた母親は「崩落したままの阿蘇大橋を見ると、3カ月たっても何も変わっていないと感じる」と語った。

 熊本キャンパス(熊本市東区)での授業再開に伴い、農学部生は同市のアパートなどに移り住んでいる。この日は、移住先をみなし仮設住宅と認めてもらう申請手続きが同キャンパスで始まった。1年生の兵頭慎一朗さん(18)は「知人が犠牲になったのでショックが大きかった。亡くなった学生たちの分まで勉強を頑張りたい」と力を込めた。

 同村立野の阿蘇大橋付近では、車ごと土砂に流されたとみられる阿蘇市の熊本学園大生大和晃[ひかる]さん(22)が行方不明のまま。父卓也さん(58)と母忍さん(48)は、この日も大橋下流の白川沿いで手掛かりを捜した。

 卓也さんが所属する阿蘇市のスポーツクラブのメンバーらの協力を得て、大津町瀬田の河川敷などを約3時間かけて探索。流れる汗を拭いながら金属片などを拾い集めたが、車の部品などの手掛かりは見つからなかった。

 メンバーたちは「晃君のことが風化しないよう協力し続ける」と両親を激励。忍さんは「最初は家族の孤独な闘いだったが、たくさんの方の支えで少し希望が見えました」と声を詰まらせた。(熊本地震取材班)

トピック平成28年熊本地震

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