阿蘇神社復旧へ前進 20日に仮拝殿完成

阿蘇神社の境内で、シートに覆われて建設が進む仮拝殿。右奥には本震で倒壊した拝殿が横たわる=15日、阿蘇市

 熊本地震で甚大な被害を受けた阿蘇市一の宮町の阿蘇神社が復興へと動きだした。20日には仮拝殿が完成する予定。本格的な再建には時間がかかりそうだが、同神社は「地域と一体となり、元の姿を取り戻したい」としている。

 同神社は、拝殿と国指定重要文化財の楼門が本震で倒壊。ほかに五つの国重文も損傷した。仮拝殿は社務所横に建設中で、木造平屋の約150平方メートル。28日に控える阿蘇地域恒例の「御田祭」などで神事を催し、参拝者のおはらいや結婚式などの祭場も兼ねる。

 また、同神社は地震から間もない4月末、楼門前に仮参拝所を設け、透明のアクリル板越しに倒壊した楼門を見ることができるようにした。地震後の参拝者は、例年の半分以下にとどまっているが、権禰宜[ごんねぎ]の池浦秀隆さん(44)は「誰も訪れないと思っていた。予想より多くの人に来てもらい、ありがたい」と胸をなで下ろす。

 だが、課題は多い。国は楼門など国重文の第一次復旧費に2億7千万円を充てたが、拝殿を含めた再建は10年を要し、20億円はかかる見通し。同神社の負担は10億円を超すとみられる中、寄付を加えても確保するのは容易ではない。

 被害を受けた本震から3カ月が過ぎ、完全復旧の難しさをあらためて突きつけられているが、池浦さんは「神社の再建を阿蘇の復旧と重ねてもらえるように、復旧の過程をできる限り情報発信したい」と、前向きな思いを強くしている。(上杉勇太)

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