「カサンドラ症候群」 悩む女性どう支援?

 発達障害の男性をパートナーに持ったことで生じる悩みや困難について考える対談イベントが16日、横浜市中区の横浜情報文化センターで開かれた。女性自助グループ「フルリール」の真行結子代表と、上野千鶴子東大名誉教授(社会学)が対談。上野さんは、ドメスティックバイオレンス(DV)などがある場合については「暴力は人権侵害であり、耐える必要は何もない。早めに仕切り直しすべきだ」と指摘した。

 アスペルガー症候群など発達障害の男性をパートナーとした女性の中に、情緒的関係を築くことの難しさから、うつ病、自尊心低下、心身の不調など「カサンドラ症候群」となるケースが指摘されている。対談は、同症候群の女性の支援を行っているフルリールが主催、悩みを抱える女性ら約200人が聞き入った。

 上野さんは、障害が原因だとしても、暴力を振るう場合などはDVと認識し、必要な対応を取るべきだと指摘。特に子どもがいる場合は「子どもにとって安らぎの場であるべき家庭が、緊張とストレスの場になってしまう。良く育つわけがない」と、早急な対応を求めた。

 さらに、同症候群の背景には、ジェンダー(社会的性役割)の問題、女性の自己肯定感の低さがあるとし、女性が自らの価値と可能性を認識し、男性との関係を再構築したり、人生を選択したりしていくことが必要だとした。

 フルリールの活動の詳細はホームページ(http://fleurirkanagawa.blog.fc2.com/)で。

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