立野の唐揚げ店、阿蘇市で再開

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再開した店で、揚げたての唐揚げを客に渡す宮崎さん夫婦=阿蘇市

 熊本地震で被災した南阿蘇村立野の唐揚げ店が2カ月の休業を経て、再起を目指してプレハブ店舗で奮闘中だ。阿蘇市車帰の県道沿いにある新しい店にドライバーや常連客が訪れ、にぎわいを取り戻している。

 宮崎錠治[じょうじ]さん(53)・美智子さん(47)夫婦が営む「宮崎さんちのからあげや」。10年前、立野の自宅に併設する商店内で始めた。その後、近くの国道57号沿いに設けた店で、観光客らに揚げたての味を提供してきた。

 立野地区が被災した4月16日の本震で、店は無事。しかし、国道の寸断で客足は途絶え、阿蘇大橋とともに送水管が崩落して水道が使えないまま。「半壊」の自宅から高校1年の長男(15)と3人で避難し、今は村内の阿蘇ファームランドに身を寄せる。

 「唐揚げしかしきらんとに、どうしようか」。一度は店の再建を諦めたが、小学校時代の同級生がプレハブ倉庫を貸してくれ、6月16日、再開にこぎ着けた。

 「いらっしゃいませ」。ミルクロードと阿蘇市街を結ぶ車帰の県道は、国道57号の迂回[うかい]路になっており、客はひっきりなし。錠治さんが自慢の唐揚げを手際良く揚げる。

 立野を離れ、福岡市に避難中のパート鮫島繭子[さめじままゆこ]さん(39)は息子2人と訪れ、「あっさりしていておいしい。立野では毎週買っていて、ほかの唐揚げは食べられない」。各地からやってくる常連客が「大丈夫だったね。心配しとったよ」と声を掛けていく。錠治さんと美智子さんは「考えている以上に、みんな僕たちのことを思っていてくれた。本当にありがたい」と、目に涙をにじませた。

 立野では新たな土砂崩れの不安も消えず、元の店に戻るのは難しいという。錠治さんは「お客さんの笑顔と励ましの言葉で、頑張ろうと思える。ここで、今のペースで続けていきます」と言い、汗を拭う。宮崎さんTEL090(6040)9604。(富田ともみ)

トピック平成28年熊本地震

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