地震の文句 どうぞモンク(僧侶)に

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避難所で開いたカフェで、被災者の話に耳を傾ける九州臨床宗教師会長の吉尾天声さん=益城町

 心のケアを学んだ僧侶や牧師でつくる九州臨床宗教師会が、熊本地震の避難所になっている益城町総合体育館で、傾聴喫茶「カフェ・デ・モンク」を週2回開催。被災者の悩みや不安に耳を傾けている。モンクは英語で僧侶の意味で、「モンクに気軽に文句を言ってほしい」との思いが込められている。

 「夜は眠れよりますか」。浄玄寺(熊本市南区)住職で、会長の吉尾天声さん(50)ら臨床宗教師3人が、コーヒーを手渡しながら避難者一人一人に笑顔を向ける。体育館入り口横のスペースで開くカフェには毎回100人ほどが訪れ、飲み物と菓子を楽しむ。

 テーブル席に座った水上千代美さん(74)は、臨床宗教師の一人に「3カ月の避難生活は長か。ストレスがたまります」と打ち明けた。避難所で腰痛が悪化、耳も遠くなったという。それでも会話するうちに笑顔になり、「しんみりしてもいかん。また来ます」と腰を上げた。

 臨床宗教師は布教や伝導をせず、宗教・宗派を超えて被災地や病院などで心のケアにあたる宗教者。東日本大震災を機に東北大で養成が始まり、宮城県などの仮設住宅で傾聴喫茶「カフェ・デ・モンク」を開いている。

 東北での活動に感銘を受けた吉尾さんらは同大で学び、2015年1月に九州臨床宗教師会を設立。熊本を中心に九州各地の18人が所属し、県内の教会などで定期的にカフェを開いてきた。

 熊本地震では、会員の寺なども被害を受けた。それでも吉尾さんらは「被災地にひと息つける空間をつくりたい」と、4月末から益城町で活動を開始。南阿蘇村や宇城市の高齢者施設にも出向いた。

 カフェでは、精神的に追い詰められた状況を話すうちに表情が明るくなった避難者もいたという。「不安を吐き出すことが、地震で受けた傷を受け止める土台になると感じた」と吉尾さん。「一人一人に寄り添い、先の見えない不安や生活再建が進む喜びを分かち合いたい」。今後は仮設住宅でも長期的にカフェを開く予定だ。(清島理紗)

トピック平成28年熊本地震

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