被災の学生アパート解体始まる 南阿蘇村

南阿蘇村で初めて公費解体、撤去が始まった学生アパート=南阿蘇村
解体作業を前に、手順や廃棄物の分別方法について確認する作業員ら=宇城市

 熊本県南阿蘇村と宇城市は27日、熊本地震で全半壊した家屋の公費による解体撤去に着手した。

 同村では、東海大農学部4年の脇志朋弥[しほみ]さん=当時(21)=が犠牲となった同村河陽の学生アパートで工事を始めた。大家の渡辺武さん(70)ら関係者が脇さんの冥福を祈った後、重機による屋根の解体作業が進んだ。

 渡辺さんは「これで学生たちが室内に残った荷物を取り出せる」と歓迎したが、脇さんに話が及ぶと「(本人や遺族に)今も申し訳ないと思っている…」と声を詰まらせた。

 村によると村内の全半壊は1598件(22日現在)で、26日までの申請は272件。村は、解体が必要な建物は約800件に上ると見込んでおり、2年以内の完了を目指す。

 一方、既に自費で解体を済ませた村民に対しては、村は上限を設けて費用を支払う。8月8日~9月末、村長陽庁舎で地区ごとに申請を受け付ける。

 宇城市では小川町三ツ丸地区で始まり、現場を視察した解体業関係者約30人が、作業の手順などを確認した。

 同市は約300件の申請を受けており、月間40~50戸のペースで解体を進め、全壊家屋が多かった行政区から順次着手する計画。原則として市内全域の全壊家屋の解体を終えた上で、大規模半壊や半壊と判定された家屋の解体を行う。市衛生環境課は「来年3月をめどに住家の解体を終えたい」としている。

 県によると、公費での家屋解体は熊本市、甲佐町、益城町、美里町、西原村でも始まっている。(福山聡一郎、田中祥三)

©株式会社熊本日日新聞社

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