阿蘇で就農の夢追う 東海大農学部出身の2人

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さかき農園の榊敏行代表に見守られながら、トマトの世話をする井野千晶さん(右)=南阿蘇村
観光交流施設「はな阿蘇美」のイチゴ園で、イチゴの手入れをする小嶋一穂さん=阿蘇市

 南阿蘇村の東海大農学部出身の若者2人が、新規就農を目指して地元で研修に励んでいる。当初学んでいた同村立野の「木之内農園」は熊本地震で大きな被害を受け、復旧が見通せない状況に陥った。2人はやむなく阿蘇地域のほかの農園に移ったが、「地震に負けたくない」と夢に向かって奮闘している。

 県内約40の会員農家でつくるNPO法人「阿蘇エコファーマーズセンター」の2年間の研修に2014年から参加する井野千晶さん(24)と小嶋一穂[かずほ]さん(25)。井野さんはミニトマト農家、小嶋さんはイチゴ農家を目指して木之内農園で研修を受けていた。

 ところが同農園は、熊本地震の土砂崩れで農業用水路が崩落。観光イチゴ園が全滅するなどの被害を受けた。

 「自然災害と向き合う農業のシビアさが身に染みた」と話す井野さんは5月から、同村吉田の「さかき農園」でトマトの手入れや収穫など栽培技術を教わる。11月に研修を終え、来年4月には阿蘇市内に見つけた農地でミニトマトの栽培を始める予定だ。

 「農業は人が生きる原点。自分が自信を持っておいしいと思えるミニトマトを作っていきたい」と井野さん。さかき農園の榊[さかき]敏行代表(45)は「積極的で一生懸命な姿が頼もしい。一緒に阿蘇地域の農業を盛り上げていきたい」と期待を寄せる。

 一方、小嶋さんは同市小里の観光交流施設「はな阿蘇美」内のイチゴ園に研修の場を移した。同施設も約2万株のイチゴのうち8割が被害を受けたが、残ったイチゴに水をやったり、株を増やしたりという作業に追われる。

 木之内農園に就職予定だったが、「出身地の天草で勝負する」と決めた。まだ農地やハウスを確保するめどは立っていないが、10月から天草で一歩を踏み出す。小嶋さんは「不安もあるが、自分が選んだ道だから、被災経験をばねにして頑張りたい」と力を込めた。(富田ともみ)

トピック平成28年熊本地震

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