2周年の阿蘇医療センター 災害医療の前線基地に

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6日で開院2周年を迎える阿蘇医療センター=阿蘇市
熊本地震後に全国から駆けつけたDMAT(災害派遣医療チーム)らを交えて打ち合わせをする阿蘇医療センターのスタッフ=4月18日、阿蘇市の同センター(同センター提供)

 熊本県阿蘇市黒川の阿蘇医療センター(甲斐豊院長、124床)が6日、開院2周年を迎える。熊本地震では、免震構造を生かして全国から支援に駆け付けた医師らの“前線基地”の役割を担った。主要ルートの寸断状態が続く阿蘇地域の医療拠点として、地域の信頼も高まっている。

 阿蘇市が阿蘇中央病院の老朽化に伴い、約50億円をかけて2014年8月に開院。MRI(磁気共鳴画像装置)など最新の医療機器を導入した。

 熊本地震では、中央診療棟と病棟に備えた免震装置が奏功。病院事務局によると、建物は最大54センチずれたが、MRIや60トンの貯水タンク、非常用電源などは無傷で、救急患者を迅速に処置できた。

 本震が起きた4月16日は、医師5人で約130人を手当てした。甲斐院長(55)は「病院が古いままだったら、長期間、医療が行き渡らず深刻な事態に陥っていた可能性もある」と説明する。

 一方で、DMAT(災害派遣医療チーム)を受け入れ、全国から駆け付けた最大33チーム・約150人による阿蘇地域の救援活動基地となった。

 実は、センターの建設時、市民の中には「無駄遣い」との批判もあったという。「大津町まで車で30分、熊本市へも1時間で行ける。わざわざ立派な病院を建てるのは効率的じゃない」との声だ。

 批判にさらされながらも、センター側は診療体制の充実に努めてきた。常勤医は開院当初の5人から現在10人に増加。心臓や脳の血管疾患分野で特に実績を積んでいる。地震で休診した医療機関から透析患者20人と人工呼吸が必要な3人を引き受けるなど、市民の信頼を高めている。

 阿蘇地域では、南阿蘇村の阿蘇立野病院の休止や国道57号の寸断で、患者の搬送や治療態勢への懸念が高まっている。「センターには、地域の中核病院としての対応力が求められる」と県阿蘇保健所。

 甲斐院長は「地域の期待に応えなくてはならない。重症の糖尿病など特殊外来への対応も課題で、さらに体制整備を進めたい」としている。(岡本幸浩)

 ※阿蘇医療センターは6日午後1時半から、開院2周年記念で市民公開講座・健康フェスタを開催。無料。同センターTEL0967(34)0311。

トピック平成28年熊本地震

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