ポストに龍馬夫妻像を 湘南学院高生徒ら奔走

 晩年を横須賀で過ごした坂本龍馬の妻、おりょうにちなみ、夫妻のブロンズ像を大津おりょうさん公園(同市大津町)に隣接する郵便ポストの上に設置しようと、私立湘南学院高校(同市佐原)の生徒らが奔走している。10日からは、インターネット上で資金を募るクラウドファンディングを開始。「観光スポットにして、地域を盛り上げたい」と意気込んでいる。

  おりょうは龍馬の死後、各地を転々とし、晩年は横須賀で過ごした。同市大津町の信楽寺に墓がある。

 地元の商店街などが昨年末、ブロンズ像の設置を発案。その後、同校生徒会が中心となってチームを作り、「龍馬とおりょうの恋文ポスト」と名付けたプロジェクトが始まった。

 「龍馬とおりょうは、日本で初めて新婚旅行に行ったと言われ、仲がいいイメージ」と、生徒会長の田中翔太さん(17)。「SNSが普及しているけれど、『このポストから手紙を出すと片思いが両思いになる』などと言われるようになって利用者が増えれば」と、手紙文化の振興にも期待を寄せる。

 龍馬とおりょうが寄り添うブロンズ像のデザインは、縦横50センチほど。同校美術部が紙粘土で原型を作成した。パソコン部や写真部も、インターネットで周知活動に取り組む。

 費用は、200万円を見込む。クラウドファンディングのほか湘南信用金庫、かながわ信用金庫の市内の一部支店で募金箱や寄付用の封筒を設置。今後、地域のイベントでチラシの配布活動も行う。寄付金が集まれば、10月に信楽寺で開催されるおりょうの墓前祭に併せ、除幕式を開く予定。

 田中さんは、「横浜と比べると、横須賀は魅力があるのに人が来ないと感じている。おりょうポストが、横須賀に来るきっかけになれば」と話している。

 寄付金など問い合わせは、同校電話046(833)3433。

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