「未病」入れる? 火花 スポーツ振興条例  

 県が検討中の「スポーツ振興条例」の条文に「未病」を盛り込むかどうかを巡る議論が、12日の県議会第3回定例会本会議で火花を散らした。代表質問に立った自民党の敷田博昭氏(横浜市都筑区)は「未病は広く県民に認知されていない。条例の文言になじまない」と指摘。黒岩祐治知事は「県民への理解は浸透しつつある。スポーツを通じた未病の改善を条例に位置付け、県民全体で取り組む」と反論、自らが掲げる最重要施策の意義を強調した。

 県は2019年ラグビーワールドカップ(W杯)や20年東京五輪・パラリンピックを控え、県民のスポーツへの機運や関心を高め、スポーツ振興の考え方や施策の方向性を明らかにするための条例制定を目指している。

 敷田氏は「条例は地方自治体の法律で、規定内容は普遍的であるべき」として、「未病」を盛り込むことは不適当と主張した。

 これに対し黒岩知事は「条例には神奈川ならではの取り組みを盛り込みたい」と説明。「パラスポーツの普及」や「子どものスポーツ活動の推進」とともに、「未病の改善」を盛り込むとした。

 知事は「未病は、超高齢社会を乗り切り、健康長寿社会を実現するための重要なキーワード。県が先頭に立って普及に力を注ぎ、国などにも着実に浸透してきている。条例に位置付けることで、意義を県民と共有するのは大きな意味がある」と重ねて理解を求めた。

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