Ema、日本とキューバ融合 17日、赤レンガでジャズフェス

 ジャズシンガーEma(25)が17日、横浜・赤レンガ倉庫の野外特設ステージで開かれる「ブルーノート・ジャズフェスティバル」に出演する。ジャズの本場、米ニューヨークが発祥の催しで、ことしは米国の「アース・ウィンド&ファイアー」など大物も登場する。

 東京生まれのEmaは、幼いころから音楽やダンスに親しみ、ミュージカル「ライオンキング」で9歳の時に芸能界入り。しかし子どものころはハスキーな声がコンプレックスだったという。

 東日本大震災後に東京・代々木のライブハウスで歌った時、「とんでもないことが起きて、皆の心がごちゃごちゃしていたけれど、歌うことで人同士をつなげることができたと感じた。音楽が持つ奇跡に心が震えた」と歌の力を再認識。歌手として生きることを決めた。

 デビュー盤はことし3月、プロデュースしたセサル・ロペスが暮らすキューバに渡り制作。初めての訪問だったが、地元民が暮らす住宅に間借りをする「民泊」を体験し、人々の“呼吸”を体感。アルバムタイトルは、スペイン語で息吹(いぶ)くという意味の「レスピラール」と名付けた。

 尾崎豊の「I LOVE YOU」は全編英語で、THE BOOMの「島唄」は、キューバの民族楽器「バタコンガ」の音に乗せスペイン語と日本語で歌う。太陽の日差し、吹き抜ける風のような心地よさを含んだ音楽は、海に隣接した赤レンガでのライブにも溶け込むはず。

 Emaは「ロペスさんが来日して、一緒に舞台に立ちます。日本とキューバ音楽が混ざり合う空気を楽しんで」と呼びかけている。フェスは正午から。

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