「価値創造」「魅せる」機能をプラス 神奈川県立図書館再整備で案

 県教育委員会は29日、県立図書館(横浜市西区)の再整備計画に関する「基本的な考え方」案を公表した。図書館像として新たに「価値を創造する」「魅せる」機能を加えるとした。老朽化と収蔵スペース不足などに対応するため、施設も整備。現在の収蔵庫の場所に図書館新棟を新設し、利用者の交流や飲食、会話のできるスペースも設ける方針。

 「価値を創造する図書館」としての機能では、本を介して人が交流し、学びにつなげることを支援する。県立音楽堂などの近隣施設とも連携していく。

 「魅せる図書館」としては、世界的建築家ル・コルビュジエに師事した前川國男氏の設計したモダニズム建築の現本館の魅力を生かした施設に改修。貴重な資料や記録フィルムを展示するなど、人を引きつける図書館を目指すとしている。

 社会・人文系を中心とした専門的な図書・資料を収集・提供する「専門的図書館」、県内図書館と相互賃借や市町村図書館へ支援する「広域的図書館」として従来位置付けてきた機能は維持する。

 県立図書館の本館、新館、収蔵庫の3棟を再編。収蔵庫の場所には、地上4階建て、延べ床面積約3720平方メートルの新棟を建設。利用者同士の交流を促進するスペース、飲食や会話ができるくつろぎスペースなどを設ける。現新館は収蔵庫に、現本館は魅せる図書館として改修する。

 2017年度以降、7年程度かけて順次整備していく。整備手法はPFI方式と直営方式を今後検討する。

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