【Q&A】将棋のスマホ不正疑惑

人工知能(AI)優勢で興ざめ?

画像今年の電王戦でコンピューターソフトPONANZA(ポナンザ)と対局する山崎隆之八段=5月21日、大津市の比叡山延暦寺画像三浦弘行九段

 将棋の七大タイトルの一つ「竜王戦」に挑戦することになっていた三浦弘行九段がスマートフォンを通じて将棋のコンピューターソフトを使った疑いがあるとして直前に出場停止処分を受けました。コンピューターの人工知能(AI)の方が人間より強いのが当然のようで寂しさを感じさせるニュースです。

 Q どういう経緯だったのですか。

 A 三浦九段は夏ごろから対局中に頻繁に席を離れ不自然だとの疑問の声が棋士の間から上がっていました。三浦九段は日本将棋連盟の調査に対して疑惑を否定しつつ休場すると申し出ましたが、期限までの休場届が出なかったため出場停止となりました。連盟はその数日前に対局室へのスマホの持ち込み禁止などの規則を発表したばかりでした。新規則ではスマホなど電子機器を使用した場合は「除名相当」という重い処分が科されます。

 Q ソフトはそんなに強いのですか。

 A 2012年から棋士とソフトが対戦する「電王戦」が始まり、故米長邦雄永世棋聖が敗れました。昨年こそ棋士が一矢を報いましたが、全体ではソフトが優勢です。ソフトの戦法を学ぼうとソフトとの対戦を繰り返す千田翔太五段は「人間は、人間が思っているほど強くない」と語っています。AIを使ったソフトは1997年にチェスの世界王者を破っています。チェスの対局の展開パターンは10の123乗、将棋は220乗ですが、それより桁違いに多い10の360乗の囲碁でも今年3月にソフトが世界トップ級の韓国人プロ棋士に勝ちました。

 Q AI技術で生活が便利になるのはいいことですが、将棋や囲碁の王者がソフトというのは興ざめですね。

 A AI技術は自動運転車や病気の診断、接客ロボット、経済情勢の分析など多くの分野で活用が見込まれています。ただ将棋や囲碁は人間同士が頭脳を振り絞って戦うというのが魅力の根幹です。あるAI研究者は「名棋士の戦いを分析して一夜にして多くの棋士の力が上がるように、強いAIの出現で人間の技量が一気に向上すればおもしろい」と期待をかけています。

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