大磯「体験型観光」PR 27日に散策イベント

 横浜、鎌倉、箱根に続く県内「第4の観光地」を目指す大磯町は、強みである歴史や景観に、健康や食文化を組み合わせた体験型観光(ニューツーリズム)を展開し、他の地域との差別化を進めている。27日には、田園風景や里山が広がる町西部を舞台に、豊かな自然と秋の産物を体感する散策イベントを開催。旧吉田茂邸や鴫立庵、旧島崎藤村邸など、庭園文化が息づく東部の歴史探訪と「両輪」で、町の魅力をアピールする。

 2013年に県の「新たな観光の核づくり構想」に認定された大磯町。今年11月には町郷土資料館がリニューアルされ、焼失した旧吉田茂邸も来春に再建されるなど、散策拠点の整備が着々と進んでいる。

 一方、近現代史を象徴する施設が残る東部とは一線を画し、昔ながらの畑や山林が広がる西部。町は昨年から国府地区に焦点を当てた散策イベントを始め、「ミカン狩りを体験したり富士山が望めたり、起伏に富んだコースを歩ける内容に、参加者からの反応も良い」(町産業観光課)と好感触を得ている。

 2回目の今回は、「国府の里山満喫健脚」「フルーツ街道散策」「こゆるぎの森自然体験」「国府の歴史探訪」の4コースを設定。丹沢・大山、箱根連山を望むビューポイントをはじめ、ミカンや柿の試食、町内で見られる珍しいチョウの写真と標本の特別展示など、各コースに興味深い内容を盛り込んでいる。同日には近くで「ふれあい農産物まつり」も開かれる予定で、散策中に商品を預かるサービスもあるという。

 主催する町観光協会は「街歩きの中で気に入った所を見つけてもらい、ファンになってほしい」と期待を込める。

 参加費500円(保険料・資料代込み、中学生以下は200円)。申し込み・問い合わせは、同観光協会電話0463(61)3300。

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