アプリで横浜・西区を散歩 岩崎学園と共同開発

 地域の魅力を再発見してもらおうと、神奈川県横浜市西区が独自に開発したスマートフォン用のまち歩きアプリ「NISHIMARO DIARY」が人気を集めている。11月からスタートした区内のおいしいものを紹介するキャンペーンが追い風となり、インストール数は同月30日までに820件を突破、当初目標の1千件に迫る勢いだ。同区の担当者は「区内には歴史と共に歩んできた店が多い。まちを歩いて開拓してほしい」と利用を呼び掛けている。

 アプリは、同区と岩崎学園情報科学専門学校(同市神奈川区鶴屋町)が共同開発し、5月に配信を開始した。当初は西区の歴史や史跡などを紹介してきたが、11月からは「アプリ DE お散歩キャンペーン」をスタート。同区作成の冊子と併せ、「西区のおいしいもの」認定店など計44店の情報を掲載している。

 同区は江戸時代以降、街道沿いに店が立ち並んだことなどから発展。1896年には現在の横浜・みなとみらい21(MM21)地区に横浜船渠(ドック)が竣工(しゅんこう)、1973年の機能停止後も「ドックヤードガーデン」や帆船日本丸の係留場所として広く親しまれている。

 アプリには同校学生のおすすめ店のほか、ドックに出前そばを届けた「松山そば店」や、ドックの労働者が気軽に立ち寄った“市民酒場”の「常盤木」など、時代を超えて今なお区民に親しまれている店舗も掲載。同校2年の本間知生さん(20)は「老舗の団子屋など、アプリ開発を通じて初めて知った店も多くあった。アプリが西区を訪れるきっかけになれば」と話している。

 キャンペーンは12月25日まで。掲載店舗での割引や、ポイントをためてギフトカードなどのプレゼントが当たる特典もある。問い合わせは、同区区政推進課電話045(320)8329。

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