クリスマス商戦3連休 ホテル、クルーズ好調 ニーズ先読み、百貨店も万全

 クリスマス商戦がヒートアップしている。暦の巡り合わせで今年は23〜25日が3連休と、例年以上の好条件。24日、土曜日のクリスマスイブを中心にホテル業界は活況を呈し、クルーズ船の予約も好調だ。消費低迷が続く中、百貨店業界もこの機を逃すまいと、消費ニーズを先読みし、例年以上の売り上げを目指す。人員を手厚く配置するなど、体制面で万全を期す動きも見られる。

 「イブはクリスマスの宿泊プランを売り出した9月から1カ月足らずで満室になった。例年に比べて予約状況は順調に推移している」。横浜ベイシェラトンホテル&タワーズの担当者は、3連休効果を実感。フルーツの盛り合わせとスパークリングワインを部屋に届けるカップル向けのプランを打ち出したことなども奏功し、すでに23日も満室という。

 横浜ロイヤルパークホテルも23、24日は満室。25日も8割方埋まっているといい、「3連休で宿泊、レストラン利用とも高額消費を期待したい」と話す。

 例年、ロマンチックな演出でクリスマスムードを盛り上げるベイエリアの観光施設も、集客に知恵を絞る。横浜・八景島シーパラダイスは、光のエンターテインメントショーや花火の打ち上げをメインに据える。最寄り駅を運営する京浜急行電鉄、横浜シーサイドラインと連携し、乗車券と園内のワンデーパスなどを割安にセット販売する試みも行っている。

 大型客船「ロイヤルウイング」でディナーを楽しみながら横浜港をクルーズする23〜25日夜の特別プランは、ほぼ予約で埋まった。フルコース料理を提供するプランが好調で、「3連休でゆっくりできるクリスマスのひとときを、優雅に過ごすニーズが高い」とみている。恒例のクリスマスマーケットを展開する横浜赤レンガ倉庫は、人工雪が舞う演出をイブに行い、「カップルはもちろん、子ども連れら幅広い層を取り込みたい」と意気込む。

 百貨店業界は軒並み、営業時間を延ばして3連休特需による売り上げ増を見込む。「職場、友人、家族…。さまざまなグループごとにパーティーを楽しむ人が増えるのでは」(横浜高島屋)など、各店ともパーティー需要の増加で認識は一致。総菜やケーキのほか、シャンパンなど酒類の品ぞろえを充実させる。

 京急百貨店は3連休による混雑緩和のため、クリスマスケーキを渡す場所を食品売り場の店舗から、スペースの広い催事場に変更。クリスマス抽選会の対応に当たる人員も増やし、安全確保も含め万全な体制を取るという。ある百貨店の担当者は、うれしい悲鳴を上げる。「ただでさえクリスマスの人出は多いのに、今年のこの暦の並びだと、どれだけのお客さまが来店することか。とにかく総出で、頑張ります」

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