洋画壇の巨匠追悼 横須賀美術館

 11月に逝去した横須賀出身で現代洋画壇を代表する画家・島田章三さん=享年(83)=を追悼して、横須賀美術館(同市鴨居)で会期中の所蔵品展の一角に、島田さんの作品が展示されている。若くして注目を浴びた代表作や故郷を描いた作品など7点が並び、巨匠の芸術を振り返る。来年4月まで。

 島田さんは1933年に浦賀町大津(現・横須賀市大津町)で生まれ、県立横須賀高校卒業後、東京芸術大学に進学。その後、洋画家の登竜門として知られる「安井賞」など、数々の賞を受賞した。晩年は愛知県立芸術大学学長なども務め、2004年に文化功労者に選ばれた。

 07年に横須賀美術館が開館した際には、4年間にわたって初代館長を務めた。同美術館の日野原清水学芸員(40)は「所蔵品の展示後、他の学芸員と一緒に会場を回り、『この作品のここがいい』など教師の視点で、生徒に接するように教えてくれた」と思い出を振り返る。

 今回の展示会場には、島田さんが大学在学中に国画会展に出品し、国画賞を受賞した「ノイローゼ」などの代表作や、港やトンネルが印象的な故郷の風景を描いた「横須賀」「ミナトヨコスカ」などの作品が並ぶ。

 美術館の館長を務めていたころは「美術館のレストランで食事をしながら、海を見るのが好きだった」と日野原さん。「横須賀を描いた作品や、代表作を改めて鑑賞してほしい」と話している。

 一般310円。問い合わせは同美術館電話046(845)1211。

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