恒例「除夜の汽笛」新年も

 新年を迎えた瞬間、横浜港内の船が一斉に汽笛を吹き鳴らす「除夜の汽笛」は、2017年の元日も実施される。最近では、観光船内でカウントダウンを楽しむ人が増えている。

 除夜の汽笛の代表格は、山下公園前で係留・保存されている日本郵船氷川丸だ。1月1日午前0時、普段は「飛鳥2」が出港する際に使う「答礼の汽笛」を鳴らす。

 金谷範夫・第28代船長(66)が押す緑色の汽笛吹鳴ボタンは、非公開エリアの左舷デッキにあり、窓から港が一望できる。旅客船の太い音や、遊覧船の甲高い汽笛が響き合い、独特のハーモニーを奏でる。

 金谷船長は「横浜港でいつ始まったのかは分からない」というが、海外にも例があることから、世界中の船長たちの粋な計らいと説明する。環境庁(現環境省)は1996年、残したい“日本の音風景100選”に選んだ。

 大型の貨物船は少なくなったが、船に乗って新年のカウントダウンを楽しむクルーズが人気だ。12月31日深夜には、大さん橋からレストラン船「ロイヤルウイング」が出航。運河パーク(中区新港)や、みなとみらいぷかり桟橋(西区みなとみらい)、山下公園(中区山下町)などからも遊覧船やクルーズ船が出航する。

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