「ツタヤ図書館」1年、利用者の満足度8割 海老名

 リニューアルオープン1年を迎えた海老名市立中央図書館(同市上郷)が実施した利用者アンケートの結果がこのほどまとまった。来館者は大幅に増え、満足度は約8割と高くなった。指定管理者運営による「ツタヤ図書館」の首都圏初進出として話題を集めた影響もあってか、回答者の半数近くが市外からの来館者になった。

 市教育委員会によると、アンケートは指定管理者のカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)と図書館流通センター(TRC)が2016年9月17日〜10月9日に来館者らを対象に行い、682件の回答を得た。

 居住地の内訳は市内53%に対して市外45%、県外2%。市内居住者が90%で郊外の市立有馬図書館(同市門沢橋)に比べて市民以外の割合が高くなった。全体の評価は「大いに満足」30%、「満足」48%。市民に限定すると同じく22%、51%で差異がみられた。

 15の個別サービスについても質問。満足度が高いのは「年中無休」92%、「(夜9時までの)開館時間」87%、「館内の居心地」78%の順。逆に低いのは「視聴覚資料の数と種類」29%、「座席・閲覧席の数」35%、「本棚からの資料の探しやすさ」41%になった。

 初の取り組みになった「カフェの併設」は67%、「書籍や雑誌が買える」が64%との評価。注目されたCCC独自の図書分類法は45%にとどまった。

 リニューアルによる生活の変化を聞いたところ、ほぼ半数があったと回答。具体的(複数回答)には「本を読む機会が増えた」「以前より勉強するようになった」が多かった。

 リニューアルオープン後の利用者アンケートは2回目。初回は15年10月中旬に実施(回答305人)された。満足度は「全体の感じ」82%はほぼ同じ数字。「カフェ」80%、「書店」76%だったのがそれぞれ10ポイント以上の低下。47%だった「図書分類法の変更」はあまり変わらず、低い評価のままだった。

 伊藤文康教育長は「市外の方に多く来館していただくことは海老名を知ってもらう意味で大きな効果がある。これまで来館者の声を聞き、改善を図ってきたことでおおむね満足している結果と捉えている」などとコメントした。

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