「高野病院」医師支援へ資金援助を...広野町がネットで呼び掛け

 原発事故後も双葉郡内で唯一、入院患者を受け入れている高野病院(広野町)の院長高野英男さん(81)が火災で亡くなり常勤医が不在になっている問題で、町は9日、インターネット上で資金援助を募るクラウドファンディングの取り組みを始めた。町や支援する会などに対し、窮状を知った全国の人から「せめて寄付という形で力になりたい」と申し出が相次いでいる。

 高野病院では昨年12月30日以来、院長と常勤医が共に不在の非常事態が続いている。高野さんに代わって診療に当たっているボランティアの医師は「無償で協力する」と申し合わせているため、寄せられた資金は医師の宿泊費や交通費に役立てる。これらの費用については、町が負担する方針を示しており、資金は支援制度の財源として活用される。

 目標額は250万円。寄付は1口3000円からで、2月28日まで受け付ける。ふるさと納税制度を適用し、寄付した人は税控除を受けられる。9日午後8時30分時点で、90人から計126万8000円が寄せられ、目標額の半分を突破した。

 「地域医療」守るため 支援する会の呼び掛けで全国から延べ30人以上の医師が協力に名乗りを上げ、1月中は診療を続けられる見通しだが、中長期的な医療体制の構築は予断を許さない。会長の遠藤智町長は「全国からの支援に感謝の念に堪えない。皆さんの厚情に応えるべく、被災地の地域医療を守るため全力で取り組む」と力を込めた。

 同会の中心メンバーの一人で南相馬市立総合病院の尾崎章彦医師(31)は「高野さんの功績やスタッフの頑張りが評価され、高い関心が寄せられていることに感謝している」と語った。また、高野病院は地域医療を担う社会インフラとして重要な役割を果たしてきたとし、寄付をきっかけに「原発事故の被災地にとどまらず、過疎地域ではどこでも起こり得る問題であり、全国の人に自分のこととして考えてほしい」と訴えた。

あなたにおすすめ