アパート改修、人情触れ合う平成の長屋に 横浜の男性ネットで募金

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 横浜市神奈川区高島台の築50年以上の空きアパート2棟をリノベーション(大規模改修)し、多世代が交流できる“長屋広場”をつくる計画が進んでいる。横浜駅からも徒歩圏内の高台にある、その名も「しぇあひるずヨコハマ」。共有スペースや畑を活用、住人と地域住民らがつながりを持てる場を目指す。プロジェクトを手掛ける男性は現在、インターネット上で資金協力を呼び掛けている。

 男性は「ここくらす」の代表、荒井聖輝さん(32)。しぇあひるずを運営するため外資系IT会社を退職、会社を設立した。社名には「ここで」「心地良く」「個々に」暮らす、との思いを込めた。

 京急線神奈川駅から歩いて5分ほど。約840平方メートルの土地には荒井さんの自宅と、家族が所有する築約50年と約60年のアパートが立つ。いずれも外階段が設置され、屋上からは海や富士山が一望できる。

 改修後は2棟で計8部屋の賃貸住宅とする。建物内にはワークショップなどを開催できる共有スペースを設置。外の敷地も活用し、畑で野菜を作ったり、イベントを開いたりと、使いたい人に貸し出す。入居者は無償、他の人たちは有償とする。

 「住む人と地域の人が気軽に集いコミュニケーションを取れる場になれば」と荒井さん。思い描くのは、地域の資源をシェアしながら豊かな暮らしを営む現代版の長屋だ。

 3月の完成予定。ネット上で資金を募るクラウドファンディングを実施中(1月20日まで)で、最終目標額の200万円に到達したら、広場に屋根付きの「遊具小屋」を作りたいという。

 しぇあひるずを思い立ったのは子育て、介護、空き家といった課題が、一気に自分の身に降りかかってきたのがきっかけ。残業の多い働き方、家族バラバラの暮らし、地域関係の希薄化…。それらを解決する手段になるのではと考えた。「次世代を担う子どもたちのためにも地域の人が緩やかにつながり、支え合い、愛着や誇りを持てる街にしたい」。幼い子を持つ父として、切なる願いでもある。

 改修に先立ち各種イベントを開催した。防災キャンプや屋上でお月見をしながらの寄席。近所の子どもたちに、床や壁に自由に絵を描かせたこともあった。いずれも好評で、次第に参加する近隣住民が増加。荒井さんは、交流の場として機能しつつあると感じた。

 そして、確信した。少子高齢化や核家族化が一層、進む中、そうした場がますます求められる、と。まずは自分が長年暮らす街で成功モデルをつくり、他地域に展開していく。そんなことも、見据えている。

 プロジェクトの詳細は、「FAAVO横浜」のホームページ。

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