“ツートップ”で業容拡大 不二越社長交代 役割分担、ロボ事業育成

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■売上高4000億円目指す 「二人三脚で売り上げ倍増に挑む」。11日に富山市の富山商工会議所ビルで会見し、それぞれが会長、社長に就く2月22日付のトップ人事を発表した不二越の本間博夫社長と薄田(すすきだ)賢二常務は、両氏が役割を分担することで成長分野の産業用ロボット事業の育成や海外展開を加速させる考えを示した。代表取締役2人による新たな経営体制で生産の効率化などにも取り組み、2020年度までの長期ビジョンで掲げる売上高4千億円の達成を目指す。

 2月22日からの新体制では、両氏が共に経営全般を担いつつ、本間氏は大幅な拡大を目指すロボ事業を、薄田氏は現在の主力である軸受けと工具、油圧部品の各事業をそれぞれ担当する。本間氏は海外事業比率が50%超になることにも触れ「社長1人だけではいま以上の業容拡大には限界がある。役割を分担し、さらなる発展につなげたい」と“ツートップ”の狙いを説明した。

 同社がロボ事業推進による業容拡大に意欲を見せる背景には、将来的な市場の変化に対する強い危機感もある。現在の「稼ぎ頭」である軸受け(ベアリング)など自動車部品は今後、電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)の普及に伴い大幅な需要減が予想されるからだ。

 対応策として本間氏は昨年秋、中核事業をロボ事業に転換していく方針を打ち出した。ただ、この分野でも国内外のメーカーがしのぎを削っており、新たな経営体制でロボ事業に同氏が専念することで競争に打ち勝つとともに、薄田氏が担当する他の事業の強化も怠らないようにする戦略だ。

 新社長に就く薄田氏はこれまでも常務として経営を補佐してきており、本間氏は「開発と製造、営業の全てに精通した人物で、社長に適任だ」と手腕を高く評価。昨年11月に社長就任を告げられたという薄田氏は「グローバル事業を加速し、現場の改善活動にも取り組む。人材育成も重視している」とやや緊張した面持ちで抱負を語った。■富山で工場用地取得へ 不二越は、富山市内で大規模な工場用地を取得する方針を固めた。具体的な場所や取得時期は未定だが、市内にある北陸自動車道のインターチェンジ付近で30万平方メートル超の敷地を有力候補地として検討しているという。本間博夫社長が11日の会見で明らかにした。

 同社はこれまで、同市不二越本町の本社・富山事業所の工場を2020年度までに順次建て替え、生産を効率化する計画を打ち出している。この方針に変わりはないが、新たに取得する用地にも自動化した一貫生産ラインを備える工場を建設し、生産コストのさらなる削減につなげる構想。

 本間社長は「(富山事業所の)既存工場には不効率な点も多い。投資時期は慎重に見極めるが、富山の生産を一層効率化しなければならない」と強調した。

 このほか、17年度は富山事業所で新たなロボット工場の着工を計画しており、既に既存建屋の一部解体を進めている。完成は18年度以降になる見通し。

 海外を含めた全体の投資額は前年並みの217億円を見込む。日本や中国など各国でロボットの生産能力増強や展示場整備を進め、米国で超硬工具の増産対応にも取り組む。

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