〔霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺)〕火口周辺に影響を及ぼす噴火のおそれなくなる 噴火警戒レベル1に引下げ(1/13)

火山性地震が継続して発生し、火口周辺に影響を及ぼす小規模な噴火の発生の可能性があるとして、昨年(2016年)12月12日から噴火警戒レベルがレベル2(火口周辺規制)に引上げられていた宮崎・鹿児島県境の霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺)について、福岡管区気象台・鹿児島地方気象台は、火山性地震が少ない状態で経過し、傾斜変動も観測されなくなったとして、13日14:00、噴火警戒レベル1(活火山であることに留意)に引下げる噴火予報を発表しました。

気象台の発表によると、えびの高原(硫黄山)周辺では昨年(2016年)12月12日午前から火山性地震が増加し、火山性微動や山体の膨張を示す傾斜変動も観測されるなど一時的に火山活動が活発化しました。しかし、その後は火山性地震は1日あたり5回以下と少ない状態で経過しているほか、火山性微動は12月13日以降、傾斜変動は12月16日以降は観測されていません。また、現地調査でも噴気や熱異常域に大きな変化がないことが確認されました。
こうしたことから、硫黄山周辺に影響を及ぼす噴火の兆候はみられなくなったとして、噴火警戒レベルが引下げられました。

なお、硫黄山周辺では長期的には噴気や熱異常域の拡大が認められているとして、気象台では今後の火山活動の推移に注意するとともに、火口周辺での火山ガスや火口内での火山灰、噴気、火山ガスの突発的な噴出現象に注意するよう呼びかけています。

◆用語解説「噴火警戒レベル」
・火山活動の状況に応じて警戒が必要な範囲や、とるべき防災対応を5段階に区分して発表する指標で、避難や規制の対象地域は、地域の状況や火山活動状況により異なる。
【レベル1(活火山であることに留意)】:状況に応じて火口内への立入規制等。

◆霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺)の近況
・2013年12月頃より火山性地震が時々発生。

<2014年>
・08/20 継続時間が約7分の火山性微動が発生。この周辺で火山性微動を観測したのは初めて。
・10/24 火口周辺警報(火口周辺危険)を発表。

<2015年>
・05/01 火口周辺警報(火口周辺危険)から噴火予報(平常)に引下げ。

<2016年>
・01/02 継続時間約2分30秒の振幅の小さな火山性微動が発生。この周辺で火山性微動が発生したのは2015年10月31日以来。
・02/28 周辺の浅いところを震源とする火山性地震が増加したことから、噴火予報(活火山であることに留意)を火口周辺警報(火口周辺危険)に引上げ。
・03/29 火口周辺警報(火口周辺危険)から噴火予報(活火山であることに留意)に引下げ。
・12/06 噴火警戒レベル導入運用開始。
・12/12 11:00過ぎから火山性地震が増加 11:40、噴火警戒レベル2(火口周辺規制)に引上げ。

<2017年>
・01/13 14:00、噴火警戒レベル1(活火山であることに留意)に引下げ。

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