米兵ら「献身的救助」 9人に横須賀市が感謝状

 ◆車転落5人死傷事故で 神奈川県横須賀市小川町の立体駐車場からワゴン車が転落し、乗っていた家族5人が死傷した事故で、市は16日、現場で救助活動に当たった通行人ら計9人に感謝状を贈った。吉田雄人市長は「悲しい事故ではあったが、献身的な救助に心から感謝したい」と述べた。

 表彰されたのは、第1発見者で米海軍軍需司令部横須賀分遣隊のギャレット・オズボーン1曹(28)ら米兵6人と、現場近くの自営業古敷谷孝二さん(48)ら日本人3人。市が救助活動などで米軍関係者に感謝状を贈るのは例がないという。

 事故は昨年12月31日午後0時50分ごろ発生。駐車場から転落したワゴン車は裏返しの状態で押しつぶされ、中に5人が閉じ込められた。駆け付けたオズボーン1曹らは他の通行人と協力して車体を起こし、5人を車外へ運び出した。

 市消防局の中村照世志局長は「通報の4分後に隊員が駆け付けたが、(事故に遭った)全員が車外に出ていた。すぐにトリアージや病院選定ができた」とし、二次災害の危険とも隣り合わせの救出活動が早期搬送につながったことを強調した。

 米兵6人のうち4人は、海兵隊の研修で来日し休暇中だった。ラヒーム・ギリアム上等兵(20)は「(助かった)2人の子どもが心配だ。深い悲しみにあるだろうが、元気にこれからの人生を歩んでほしい」と気遣っていた。

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