◆本人意向は「検討」 46人が殺傷された障害者施設「津久井やまゆり園」の再生に向けた取り組みについて、黒岩祐治神奈川県知事は19日の定例会見で、「いろんな意見に耳を傾け、皆さんとなるべく合意できるように進めたい」と話した。
10日に横浜市内で開いた公聴会では、県の建て替え方針に異論が噴出した。知事は「誰かが大きな不満を持った形で進めるのは私の本意ではない」と述べ、再生基本構想の策定に向けて「今後の進め方そのものも検討していきたい」と話した。
公聴会では、入所者本人の意向確認を求める意見も相次いだ。知事はこの点を踏まえ「どんなふうに聞くことができるのか、専門家の意見を聞きながら可能性も含めて考えていきたい」との意向を示した。
県は家族会や施設職員の意向を受け、早期の原状回復を重視して取り組んできた。
知事は「スピード感はあったが、それは見方を変えれば拙速だ、という声が出てきたのが半年たった今の状況」と説明し、「目指していることはたった一つ。悲惨な出来事を二度と起こしてはいけない、安全安心で開かれたケアの現場を早く取り戻すことをしっかりと前に進めたい」と述べた。