大輝ちゃん21日帰国 米で心臓移植、経過良好

 渡米先で心臓移植手術に成功した大和市下鶴間の迫原(さこはら)大輝(だいき)ちゃん(2)が21日、半年ぶりに帰国する。術後の経過は良好で、通院先が許可した。全国から集まった善意の寄付に救われ、元気な姿で新しい人生を迎える。

 拡張型心筋症という重い心臓病を患った大輝ちゃんは昨年7月、米ニューヨークのコロンビア大学病院で移植手術に成功した。支援団体「だいちゃんを救う会」(同市つきみ野)によると、8月の退院後、7回にわたる心筋検査でいずれも拒絶反応はなく、今月に入って帰国が許された。

 11月に2歳を迎え、食欲旺盛で身長は86センチ、体重は11・7キロまで育った。靴は1・5センチ大きくなり、飲み終えた哺乳瓶を台所まで運べるようにもなった。喜んだり、怒ったり、母早紀さん(34)は、豊かになる感情表現に喜びをかみ締め、滞在先から日々の成長をブログで伝え続けている。

 父慶治さん(43)と長女(4)の家族4人で、20日に米国を出発。21日夕に成田空港に到着し、そのまま東京大学病院に検査入院する。

 1年前に始めた募金活動は、全国に広がった。慶治さんの勤務先の同僚らが北海道、栃木県、熊本県に救う会の支部を立ち上げ、早紀さんが所属していたプロバスケットボールチームも協力。スポーツ界や音楽業界も共鳴し、集まった3億円を超える寄付は、治療費や滞在費のほか、専用機のチャーター費に充てられた。余剰金は、同じように重い心臓病と闘う患者に寄付する意向だ。

 慶治さんと早紀さんは救う会を通じ、「たくさんの思いの上に大輝の命があることを忘れず、大輝と過ごす時間があることに感謝し、その日々を元気に過ごせるよう支えていきたいと思います」と語った。

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