回収が見込めない不適切な融資で県央愛川農業協同組合（愛川町中津）に６４５万円の損害を与えたとして、県警捜査２課と厚木署は２１日、背任の疑いで、いずれも同町在住で、同組合元常務理事（６６）ら３容疑者を逮捕、住宅販売会社を経営していた女（７３）と夫（７１）を再逮捕した。
他に逮捕されたのは、ともに同町在住で、当時同組合の信用共済部長（５７）と同会社経営者の女の長男（４３）。
逮捕・再逮捕容疑は、同経営者の夫への融資が過去に回収不能となっていたにもかかわらず、２０１２年３月、十分な担保を取らずに経営者の女らに６４５万円を貸し付け、同組合に損害を与えた、としている。同課によると、５人のうち一部容疑者が否認している。
同課によると、同組合元常務理事らは開発が前提の土地の売買であれば、購入代金全額を融資するという同組合独自の融資制度を利用。経営者の女の夫が過去に借り入れた計約４億円のうち約２億５千万円分は返済が滞っていたが、土地購入代金として同経営者らに対し、１２年３月に６４５万円、同年６月に２３４０万円を貸し付けた。県警はこの２３４０万円についても捜査を進める。
同組合が１５年１２月、県警に告訴。経営者の女と夫の両容疑者は１２年６月の融資を受ける際に土地の売買契約書の金額を４５０万円から２３４０万円に偽造したとして、昨年１２月に有印私文書偽造容疑で逮捕された。
