客船事故に備え「飛鳥2」で訓練

 大型客船の事故に備え、乗客乗員の避難や救助への対応力を養う大規模な連携訓練が21日、横浜港に停泊中の「飛鳥2」(5万142トン)で初めて行われた。

 第3管区海上保安本部(横浜)など海上保安庁と海上自衛隊、県警、横浜市消防局、日本赤十字社県支部などから約400人が参加。医療系の学生ら約300人が乗客役となった。

 訓練は、船内で異臭が発生して多くの乗客らが不調を訴えたほか、避難時に多数の負傷者が出て横浜港沖に停泊したとの想定で開始。飛鳥2にタグボートを横付けし、巡視艇4隻や県警の警備艇などが乗客役らを近くの横浜海上防災基地(同市中区)に運んだ。

 海保や海自のヘリコプターも出動し、負傷者のつり上げ救助を実施。基地では現地救護所が設けられ、治療の優先順位を決めるトリアージが行われた。

© 株式会社神奈川新聞社