チャイナタウンと細野晴臣。なんとステキな組み合わせだろう。それだけで胸が高鳴る。1976年、「ハリー細野＆TIN PAN ALLEY IN CHINATOWN」として公演を行って以来、じつに40年ぶりに同じ横浜中華街の老舗広東料理店「同發」にて行われたライブの模様を収録。NHKでも放映されたが、本作はその完全版となっている。
『北京ダック』からスタートし、港町横浜にふさわしい異国情緒あふれる選曲で酔わせるライブ。中盤からは古き良きアメリカのナンバーを洒脱にアレンジしたカントリーミュージックの世界へと旅を続けると、絶妙なタイミングでゲストの登場。細野から多大な影響を受けたというミュージシャンの一人、星野源その人だ。今や押しも押されもせぬ売れっ子だが、細野の前では音楽少年といった表情が印象的。これも細野の影響で始めたというマリンバを披露する一幕も楽しめる。
そして、そして！ そんなDISC1もさることながら、特典映像として収められたDISC2にもご注目いただきたい。青山・CAYで行われた「女性限定」ライブ。その光景にいつになく（？）ソワソワと落ち着かない細野。選曲も『悲しみのラッキースター』をはじめ、甘くメロウな空気だ。会場からのサプライズのバースデーソングとケーキに、全開に照れる様子がまた、このうえなく愛おしい。集まった女性達はもれなく「連れて帰って窓辺に飾りたい……」と思ったはず（失礼）。「もっと若いころからやっていればよかったな」の宣言？どおり、今年7月には京都にて、再び女性限定ライブが行われるとか。これは行きたい！
（ビクターエンタテインメント・6000円＋税）＝玉木美企子
