東西怪物、6番目のイス、部員10人の悲願…27日選抜出場校発表の注目は?

第89回センバツ高校野球大会の出場校が27日、発表される。秋季大会の結果を重要な参考資料として、出場できるのは一般選考枠28校、21世紀枠3校に明治神宮大会枠1校を加えた計32校。果たして、球春到来を告げる聖地の土を踏む学校はどこになるのか。出場校発表のポイントをまとめた。

今秋ドラフト目玉候補の清宮幸太郎【写真:Getty Images】

「東の清宮、西の安田」の競演は決定的、関東・東京ラスト1枠はどこに?

 第89回センバツ高校野球大会の出場校が27日、発表される。秋季大会の結果を重要な参考資料として、出場できるのは一般選考枠28校、21世紀枠3校に明治神宮大会枠1校を加えた計32校。果たして、球春到来を告げる聖地の土を踏む学校はどこになるのか。出場校発表のポイントをまとめた。

 最も注目を集めるのが、東西スラッガーの両雄そろい踏みだ。

 今秋ドラフト目玉候補の清宮幸太郎内野手(2年)を擁する早実(東京)は東京大会を制して明治神宮大会で準優勝し、出場は当確。4強入りした1年夏の甲子園で2本のホームランを放つなど「清宮フィーバー」を沸き起こした怪物にとって、3季ぶりの聖地帰還が叶いそうだ。

 その早実を明治神宮大会決勝で破ったのが、同じく今秋のドラフトで1位候補とされる安田尚憲内野手(2年)を擁する履正社(大阪)だ。こちらも近畿大会を制して日本一に駆け上がり、出場は決定的。「東の清宮、西の安田」とスカウトから注目され、高校通算本塁打は78本、45本と量産している怪物の競演が見られるだろう。

 毎年、悲喜こもごものドラマが起こる当落線上では関東・東京の「6番目のイス」に注目だ。

 関東4枠、東京1枠に加え、関東・東京地区から合わせて1校の出場権が与えられる。関東4枠は同大会4強校の作新学院(栃木)、東海大市原望洋(千葉)、健大高崎、前橋育英(ともに群馬)の4校が有力で、東京1枠は上述の通り、早実が当確。関東大会8強で同5番手と目される慶応(神奈川)と東京大会準Vで同2番手と目される日大三(東京)の争いとなりそう。

部員10人で吉報待つ21世紀枠2校、発表は27日午後3時過ぎ

 秋季大会の内容でいえば、日大三は東京大会決勝の9回までリードする大接戦を演じ、勝った早実が明治神宮大会準Vしたことを考えると、やや優位か。慶応は、日大三が出場すれば東京2校で神奈川0校となる地域性を加味すれば、選出の目はある。一般選考枠で最も予想が難解だが、「6番目のイス」に滑り込むのは、どの学校になるのか。

 9地区の推薦校から3校が選出される21世紀枠で話題となりそうなのが、部員10人の悲願だ。

 部員不足などの困難を乗り越えた学校、文武両道など他校の模範となるべき学校で、秋季大会で一定の成績を残した中から選ばれる同枠。不来方(岩手)は部員10人ながら岩手県大会準V。東北大会初戦(2回戦)でも甲子園常連の八戸学院光星(青森)に0-2と善戦し、実力を示した。

 成績面ではやや劣るが、同じく洛星(京都)も部員10人で京都府大会8強。毎年、地元の京大や東大に多くの合格者を出す名門進学校でもある。ともに少ない部員数では練習に不便さがあり、おまけに2人以上の病気や故障者が出たら大会にも出場できないというハンデを克服してきた。どこよりも団結が強い10人に吉報は届くのか。

 そのほか、昨春の覇者・智弁学園(奈良)、同夏の覇者・作新学院(栃木)、常連校の大阪桐蔭(大阪)、仙台育英(宮城)、明徳義塾(高知)らも選出が有力視されている。

 発表は27日午後3時過ぎ。どの学校に吉報が舞い込み、甲子園切符をつかむのか。運命の時は、もうすぐだ。

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