田中将大、MLBでも歴史を作れるか 3つの「日本人初」がかかるシーズンへ

ヤンキースの田中将大投手が1日、成田空港から日航機で渡米した。メジャー4年目のシーズンに向け、数字での目標は「投球回数」と明言。先発投手にとって大台となる200イニングを目指す。また、日本人初のサイ・ヤング賞にも「フルシーズン戦えば、権利、可能性はある」と意欲を見せた。ヤンキースのバッテリー組は、2月15日(日本時間16日)にフロリダ州アリゾナでキャンプインとなる。

渡米前、成田空港で取材に応じたヤンキース・田中将大【写真:編集部】

4シーズン目へ向け渡米、3年連続開幕投手&4年連続2桁勝利&サイ・ヤング賞なるか

 ヤンキースの田中将大投手が1日、成田空港から日航機で渡米した。メジャー4年目のシーズンに向け、数字での目標は「投球回数」と明言。先発投手にとって大台となる200イニングを目指す。また、日本人初のサイ・ヤング賞にも「フルシーズン戦えば、権利、可能性はある」と意欲を見せた。ヤンキースのバッテリー組は、2月15日(日本時間16日)にフロリダ州アリゾナでキャンプインとなる。

 渡米前、成田空港で取材に応じた田中は「まだキャンプまで日にちもありますので、スイッチが入るというわけではないですけど、いよいよだなっていう気持ちです」と心境を明かした。日本では、友人や楽天時代のチームメートとリラックスした時間を過ごし「いい気分転換になった部分はあったので、またそういった仲間たちに(来年の)オフシーズンにいい話ができるように頑張っていきたいと思います」と誓った。

 渡米後初めてシーズンを通して先発ローテーションを守った昨季は31試合に登板。199回2/3を投げ、14勝4敗、リーグ3位の防御率3.07、同5位のWHIP(1イニングあたりの被安打+与四球)1.08の好成績をマークし、エースとしての立場を確立した。新シーズンでは03、04年の野茂英雄(ドジャース)を超え、日本人初となる3年連続での開幕投手を任されることも濃厚だ。

「(開幕投手を)狙っていきたいという気持ちよりも、僕がやるんだという気持ちしかないので。でも、開幕投手であれ、そうでなくても、開幕に合わせて調整はしたいとは思ってます」

投手最高の栄誉となるサイ・ヤング賞は「フルシーズン戦えば自然と…」

 言葉には確かな自身が漂う。数字としての目標を聞かれると、「1番は投球イニングですね。やっぱり少しで多く投げられることが自分の中では一番いいと思ってますし、また1年間ローテーションを守り抜いてこそ、そこの数字も積み重なっていく部分なので、まずは健康第一でシーズン送ることですね」と言い切った。昨年はわずかに1/3イニング届かなかった大台の200イニング到達が、まずは最初の目標となる。

 また、今季も10勝に到達すれば日本人として初のデビューから4年連続2桁勝利となるが、「意識するか?」との問には「そこはしてないですね」と断言。 「今までも、誰も達成したことがないことをしたことがないわけではないので。自分自身が。だから、別にそこで変に気負うこともないし、デビューから2桁勝利がどうこうというのは全く頭にないですね」 。メジャーでは、勝利数よりもローテーションを守ること、イニング数を積み重ねることが高く評価されるだけに、自分の役割をこなすことに徹する。

 そして、その先に見えるのは日本人初のサイ・ヤング賞。投手として最高の栄誉について、田中は「去年も初めて数票、投票してもらいましたし、フルシーズン戦ったら自然とそういう権利は……もちろん数字が悪すぎたらダメですけど、権利は、可能性は出てくるんじゃないかなと思いますけど。戦わないことには(受賞は)ないですけどね」と意欲を見せた。

 2014年から7年契約を結んでいるが、今季終了後には契約を破棄してFAとなれる「オプトアウト」の権利を持っている。米国では、早くも去就に大きな注目が集まっているが、「終わった時にそれは考えます。シーズン前に考えることじゃないと思うし」と自らの投球だけに集中するつもりだ。

 いずれも日本人初となる3年連続開幕投手、デビューから4年連続2桁勝利、サイ・ヤング賞へ―。田中がメジャーでも新たな歴史を作る。

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